愛知県奥三河地域にある開校150年の小学校が今月末に閉校する。設楽町田峯(だみね)の山あいにある町立田峯小学校。100年近く前に米国から贈られた「青い目の人形」を守り、全校児童で「子ども歌舞伎」の歴史をつないできた。23日、木造校舎に地域の「卒業生」たちも集い、学びやとの別れを惜しんだ。 「みなさんと過ごした日々は大切な宝物。たくさんの希望をもって羽ばたきます」 19日の卒業式で、最後の卒業生となった竹下峻都さん(12)が、2~5年の在校生4人と教職員10人の前で語った。「田峯小の先輩、田峯の子どもであることに自信と誇りをもって」。村松敦雄校長(54)は竹下さんにエールを送った。 竹下さんの卒業証書には「768号」としるされていた。新しい教育制度になってから768人目で、開校当初から数えると、1564人がこの学校を巣立ったという。 田峯小は1873(明治6)年に開校した。現在の校舎は、標高387メートルの山城・田峯城や、三河三観音の一つ、田峯観音近くに1927(昭和2)年に建設され、国の登録有形文化財でもある。茶畑に囲まれた、約80世帯の地域のシンボルだった。 1945年に178人だった児童数は、65年に81人、85年には28人と減少。2022年7月に策定された、町の教育振興基本計画で、創立74年の津具中学校とともに、今年度末に閉校する方針が決まった。最後の年、田峯小の全校児童は5人だった。 「閉校式」は22日にあり… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
106歳で日常詠んで短歌年間賞 兵隊、農家、県職員から趣味の人に
「長らえて 生き来し幸を 今に知る 何時まで続くか 老いの道行(みちゆき)」。2023年度に本紙群馬版の上毛歌壇で詠まれた優れた作品に贈られる年間賞を、群馬県館林市の三田善四郎さん(106)が受賞した。大正6(1917)年生まれの三田さんは、今も自分の足でしっかり歩く。80歳から詠み始めた遅咲きは、チラシの裏紙で歌を考えてははがきに写すいつものスタイルで投稿を続けている。 西谷田村(現在の板倉町)で農家の11人きょうだいの7番目として生まれた。尋常小学校を卒業後は父から「百姓の子は百姓をやれ」と言われて、7年間は農業をやった。20歳で徴兵検査に合格して中国へ。しかし「銃を背負ったのは2年間だけ」。あとの6年間は司令部で命令や戦況を伝える文書の作成を担当した。 終戦後、職探しで訪れた県庁の地方事務所では、履歴書の字のきれいさが担当者の目にとまり、合格した。息子の正信さん(75)は「字が上手だった父は、『書く』ことで人生を生き抜いてきたんだと感じます」。 70歳を前に仕事を辞め、趣… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
101歳SL、余生はふるさとで JR九州社長「人吉市に譲渡へ」
JR九州の観光列車「SL人吉」を牽引(けんいん)してきた蒸気機関車が、余生を「ふるさと」熊本県人吉市で送ることになった。同社の古宮洋二社長が24日、明らかにした。豪雨から復興途上の地元からは歓迎の声が上がった。 機関車は国産で現役最古の101歳。この日は、前日のラストランに続き、地元の自治体関係者らを招待して熊本―八代間を走った。八代駅のホームで開かれた運行終了式典で、古宮社長は「101年の歴史はここで終わるが、次を人吉で迎えていただきたい」と述べた。 式典後の取材に、古宮社長は保存先を人吉に選んだ理由について、多くの誘いの中でも特に熱心だったことや、一時期を矢岳駅(人吉市)の展示館で過ごしていたことに加え、2009年にSL人吉が2度目の復活を遂げて凱旋(がいせん)した際、沿線住民が手を振って出迎えてくれたことを挙げた。 「あれが後の(観光列車を)手を振って迎える文化につながった」 人吉市には「今のところ無償で譲渡したいと考えている」としている。 松岡隼人市長は「(豪雨から… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
DVを正確に把握するために リスクアセスメントとは 識者に聞く
今回の改正法案では、話し合いで協議離婚できずに審判や裁判になる離婚では、共同親権にするのか単独親権にするのか、裁判官が決定することになります。父母の一方から、「身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれ」があるときは、単独親権にすると定められています。では、DVのおそれを見極めるには、どうすればいいのでしょうか。カナダ・プリンスエドワード州在住でDVの危険度判定に詳しい臨床心理士、高野嘉之さんに聞きました。 ◇ 刑事事件に該当するDVを専門とする裁判所があるアルバータ州で、加害者更生プログラムを実施する民間団体にセラピストとして勤めていました。2020年にプリンスエドワード州に移り、現在は、加害者に介入する臨床の専門家として、連邦政府や州の委託を受けてDVのリスクアセスメント(危険度判定)をしたり、虐待をした父親向けの更生プログラムに携わったりしています。 DV裁判所は、2週間という迅速な審理で、警察官、検察官が証拠を集め、加害者を裁き、その処遇を決めることができます。今年1月には、プリンスエドワード州にもDV裁判所ができました。 一口に加害者といっても、バットやハンマーを使う致傷性が高いリスクの人から、言い争いの中で1回だけたたいてしまった加害者など、様々なレベルの人がいます。 ただ、暴力の種類だけでDVの危険度を判断することはできません。たとえば、相手につばを吐くという身体的には大きな影響がないように見える暴力でも精神的な影響は計りしれないでしょうし、ストーキングやアルコール、ギャンブル依存などと合わされば、さらにリスクが高まることになります。 また、つばを吐いたり物を壊… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「スタバで働こう」から18年 人生折り返しの46歳、宮崎で再出発
今から40年以上前、斉藤和子さん(64)は都内のアパレル関係の会社に就職した。 店員からスタートし、バイヤーとして買い付けも経験。 いずれはスタイリストになりたい、と思っていた。 5年ほど経って業界に詳しくなったころ、スタイリストの給料の低さを知って戸惑った。 当時は職業としてそれほど認知されていなかったし、手取りが少なくなるのは仕方がない。 でも、宮崎から上京してきて家賃も払わなきゃいけないしなぁ……。 どうしたものかと思っていた時、実家から電話がかかってきた。 父が体調を崩したので地元に戻って働いてほしい、とのことだった。 「ここはいったん宮崎に帰って、いずれまた上京しよう」 そんな思いで帰郷したが、再び東京で働くことはかなわなかった。 両親が猛反対したからだ。 県庁や図書館の短期契約職員となり、地元のブティックでも働いた。 だが、どうしても東京と比べてしまう。 交通の便の悪さや、テレビチャンネルの少なさなど、何かと不満を感じてしまった。 27歳の時、地元で出会った男性と結婚。 娘を産んで、専業主婦になった。 娘が高校生になったころ、かつて一緒に働いていた友人からこんな誘いがあった。 「宮崎市内にスターバックス… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
両陛下、6月下旬に国賓として英国訪問へ 政府が調整
天皇、皇后両陛下が6月下旬にも、国賓として英国を公式訪問する方向で調整が進められていることが24日、政府関係者への取材でわかった。両陛下の英国訪問は2020年春に代替わり後初の外国訪問として計画されたが、新型コロナの感染拡大で延期されていた。 関係者によると、日程は1週間程度で、バッキンガム宮殿での歓迎行事や晩餐(ばんさん)会などへの出席が想定されているほか、両陛下がともに留学経験のあるオックスフォード大や、天皇陛下が留学中に研究していたテムズ川の水運関連の施設への訪問も検討されている。 日本の皇室と英王室はゆかりが深く、両陛下の英国訪問はエリザベス女王の国葬に参列するため訪れた22年9月以来。23年5月には、秋篠宮ご夫妻がチャールズ国王の戴冠(たいかん)式に参列するため訪問した。がんと診断され、治療の開始を今年2月に公表したチャールズ国王の体調などを踏まえ、政府が英国と調整を進めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
刑務所で迎えた2度目の誕生日 21歳受刑者を変えた教官との日記
20歳の誕生日を刑務所で迎え、さらに所内で1年を過ごした時だった。担当する教官が、交わしている日記にこう書いてくれた。「十分な収穫があった一年だったのではないでしょうか」 埼玉県川越市にある川越少年刑務所。21歳のシュン(仮名)は細身の丸刈り頭で、落ち着いた口調は年齢より大人びて見える。面会に訪れた記者に「断り切れない性格も、罪を犯すことにつながったと思います」とうつむきながら振り返った。 自分と向き合い、成長を認められるようになったのは、この刑務所で試行が始まった新しい「矯正処遇」の成果でもある。 ◇ シュンは悩みを周囲に打ち明けられない性格だった。幼いころの体験が影響していた。 東海地方で生まれ育った。小学生の時、義父から日常的に暴力を振るわれ、母から誕生日に贈られた自転車を目の前で捨てられた。虐待に気づいた小学校の先生が警察に通報したが、警察官は義父を注意するだけだったという。 相談できる人も、助けてくれる人もいない。暴力を振るわれていることを周囲に話すと暗い雰囲気になる――。そう思い、学校では明るく振る舞った。もめ事を避けるため、意見が違っても他人に合わせるほうがいいと思うようになった。 高校卒業後、母に負担をかけたくなくて、一人暮らしを始めて飲食店で働いた。コロナ禍で収入が減って生活が苦しくなった頃、高校時代の先輩から仕事を紹介された。建築関係と言われたが、実際は違っていた。 スーツ姿で東京に来るように求められた。初めの数日は、言われるまま駅で待機した。その後、お年寄りの家に行き、物を受け取るように指示された。「息子の代わりに来てくれてありがとう」と話す高齢の女性からお金を受け取った。 詐欺と気づいた。 1回の報酬は約3万円。宿泊費と交通費でほとんどなくなった。詐欺に関わるのは嫌だと思い、「もうできない」と先輩に伝えた。しかし、「お前のことはすぐに探すことができる」と脅された。地元で居場所がなくなるのが怖かったし、強く言ってくる相手に反発できなかった。 いつか逮捕されると思っていた。ただ、何とかしようと考えるうちに同じような行為を7回繰り返した。逮捕は1カ月後だった。 全国の刑務所では、受刑者の改善更生のために効果的な方法を探っています。後半では、川越少年刑務所の新たな取り組みに参加するシュンが授業や担当教官との日記を通してどのように変化したのか伝えます。 ■「懲らしめ」から「立ち直り… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ゆず、郷土芸能と同じ舞台に なまはげの面で「泣く子はいねえかぁ」
未来を担う若者やアーティストと一緒に、郷土や伝統芸能の魅力を発信し、地域を盛り上げるイベント「わっかフェス」(三菱商事、朝日新聞社、AAB秋田朝日放送主催)が24日、秋田市で開かれた。 秋田の郷土芸能と北川悠仁さん、岩沢厚治さんのデュオ「ゆず」がコラボし、東京の学生たちも練習の成果を披露。最後は観客も一体となって、大きな「わ」を作り上げた。 会場となったあきた芸術劇場ミルハス(秋田市)の大ホールにはこの日、約2千人(主催者発表)の観客が詰めかけた。 北川悠仁さん「今日しかできない独特なステージに」 口火を切ったのは「土崎港ば… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
開花またずに「桜まつり」、待ちわびる東京都民は早咲きの花に足止め
このところの冷え込みの影響で東京都内のサクラの開花が遅れている。気象情報各社の多くも平年並みの24日ごろと予想していたが、ソメイヨシノの標本木(千代田区・靖国神社)の開花はまだ。皇居周辺では早咲きのサクラに足を止めて見入るランナーらの姿も見られた。 都内有数の名所、目黒区の目黒川沿い。だが、23~24日に中目黒駅前商店街振興組合が開いた「中目黒桜まつり」は肩すかしを食らったかっこうとなった。 今年で38回目。開花時期が早まった最近は3月下旬に開催日を定め、今年も早めの開花を想定していた。本橋健明(けんめい)理事長は「祭りの日にすでに花が散ってしまったことはあったけれど、開花前なんて初めてかもしれない」と驚く。 それでも大勢の人が繰り出し、地元の学校や団体の演奏や踊りを楽しむ一方、「来週また来ようかな」との声も聞かれた。 昨年は全国的に記録的な早さで開花し、東京も3月14日だった。今年はもう少しかかりそうだ。(中山由美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リズムゲーム機の楽曲を複製 中国人の男を著作権法違反容疑で逮捕
リズムゲーム機の楽曲データを無断で複製したとして、大阪府警は、中国籍の無職の男(21)を著作権法違反(複製権の侵害)の疑いで逮捕し、24日発表した。府警は認否を明らかにしていない。 阿倍野署によると、男は氏名不詳者と共謀。20日午後4時ごろ、大阪市阿倍野区のゲームセンターで、ゲーム大手「セガ」製のリズムゲーム機から6曲の楽曲データをパソコンを使って無断で複製し、セガの著作権を侵害した疑いがある。 署は昨年11月、セガ側から「同3月ごろから複数回楽曲データが盗まれている」と被害相談を受け、捜査を進めていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル