高木智也2024年3月28日 6時00分 兵庫県は27日、3月31日付の人事異動を一部取りやめたことを明かした。退職予定者の中に懲戒処分の可能性が高い不適切行為が確認されたためだという。 県によると、退職取りやめとなったのは26日まで西播磨県民局長だった、総務部付の男性(部長級)。斎藤元彦知事や複数の県職員を誹謗(ひぼう)中傷するような内容の文書を職務中に職場のパソコンで作り、流布した疑いがある。 県関係者によると、文書は今月18日ごろ、県警や一部報道機関に送られた。2021年の県知事選をめぐり、4人の県職員の名前を挙げ、斎藤氏の当選に向けて知人らに投票依頼などの事前運動をしたとし、その論功行賞で4人は「人事のルール無視でトントン拍子に昇任」などと書かれていた。 「とにかく斎藤氏は井戸(※前知事)嫌い、年長者嫌い、文化学術系嫌いで有名」「出張先での飲食は原則ゴチのタカリ体質、お土産必須。出張大好きな理由はこれ。現場主義が聞いてあきれる」などの記述もあった。 男性は人事課に対し、行為についておおむね認めているという。31日付で退職予定だったが、県は懲戒処分を見越して退職をいったん取りやめて役職定年とした。 斎藤知事は27日の記者会見で「事実無根の内容が多々含まれ、職員の信用失墜や名誉毀損(きそん)など法的課題がある」と話した。被害届や告訴を含めて法的手続きを進めているという。 また、文書の作成や流布に関わった疑いがあるとして、自己都合退職の予定だった産業労働部次長の女性の退職も取りやめた。県は女性についても調べを進めているという。(高木智也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再婚後に生まれた子の父は「現夫」 改正民法、4月1日施行
久保田一道2024年3月28日 6時00分 離婚後300日以内に生まれた子の父を「前夫」とする規定を見直し、再婚後に生まれた子の父を「現夫」とする改正民法が4月1日に施行される。離婚した前夫の子になるのを避けたい母が出生届を出さず、子が無戸籍となる問題を解消する狙い。同日以降に生まれた子に適用される。 現行の規定では、離婚後300日以内に生まれた子は実際には別の男性の子であっても、法律上の父を前夫と推定する。前夫以外を父とする出生届は原則、受理されない。父を早く確定させることが子の利益につながるとの考え方に基づく。 法務省が把握する無戸籍者は、3月10日時点で771人。うち7割にあたる568人は、この規定を理由に出生届を出していないという。無戸籍の場合、選挙権を行使できず、運転免許証やパスポートが取れないといった制約がある。 改正民法は、母が再婚した後に生まれた子については、再婚後の現夫の子とする例外規定を設けた。ただ、離婚後300日以内に生まれた子の父を前夫とする原則は維持されるため、母が再婚しなければ、この例外規定は適用されない。 また、法律上の父と子の関係を解消する手続きも見直す。これまで、父だけに認められていた家庭裁判所への申し立ての権利を母や子にも拡大する。出生を知った時から1年以内に限られていた申し立ての期間も3年間に延長する。 施行日以前に生まれた子については、施行から1年間に限り、母か子から家裁に対し、元夫の子ではないと申し立てることができるようにした。 女性だけに限り、離婚後100日間、再婚を禁止していた規定も廃止する。4月1日以降の婚姻に適用される。(久保田一道) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本一の「三角ビル」50歳に 「脱建て替え」を選んだ新宿住友ビル
「日本一」の高さを誇り、「三角ビル」の愛称で親しまれてきた新宿住友ビルが今月、開業50年を迎えた。老朽化で取り壊されたり建て替えられたりする名建築もある中、51年目の歴史を刻み始めるビルの歩みを、リノベーションに携わったエンジニアに聞いた。 新宿住友ビルは1974年3月31日、開発が進んでいた新宿新都心の中心に誕生した。三角柱のかたちをしていることから「三角ビル」との愛称で呼ばれ、約210メートルの高さは当時日本一だった。 超高層ビル自体が珍しかった時代。複数の展望レストランを備え、足元の「三角広場」では冬にアイススケートリンク場が設けられたことも。さまざまなイベントが催され、オフィスビルながら、多くの人でにぎわった。管理する住友不動産によると、週末は1日で2万人ほどが押し寄せる時期もあったという。 しかし、次第に超高層ビルは珍しいものではなくなり、老朽化も進んだ。建て替えも検討されたが、リノベーション工事のうえ、再始動することになった。 どうすれば「生きた広場」に戻せるか 「私は、駅伝でいう1区と最終10区を走った人間です」。そう話すのは、住友不動産ビル事業本部のチーフエンジニア、山田武仁さん(65)。約25年間にわたったリニューアル計画で、最初と最後の担当を務めたという。 山田さんによると、96年か… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海保羽田基地の固定翼機、職員による運航再開へ
東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上し5人が死亡した事故を受け、職員の精神的ケアなどを理由に停止していた海保の羽田航空基地所属の固定翼機(飛行機)の運用について、海保は27日、基地職員による運航を再開すると明らかにした。 回転翼機(ヘリコプター)の飛行は今月1日から再開しており、固定翼機については28日から再開する。職員の精神的なケアを実施し、安全運航の体制が確認できたという。 当面は近くの管区の航空機や無操縦者航空機などで業務をカバーしつつ、羽田基地でも飛行訓練などから実施して徐々に通常の体制に戻していく方針。(角詠之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サプリ飲んで数日後、体に起きた異変 小林製薬に問い合わせたら
「健康によいと思って飲んだのに」。小林製薬が作った紅麴(こうじ)原料を含むサプリメントを摂取し、体調を崩したと訴える人たちがいる。識者は「機能性表示食品のリスクも知って」と話す。 東京都在住の女性(58)は昨秋、テレビCMやネットで宣伝が目に入り、小林製薬の「コレステヘルプ」と商品名をメモして近所のドラッグストアに向かった。 持病のため、コレステロールを抑える薬など毎日複数の薬を服用していた。できるだけ薬を減らしたいと考え、「悪玉コレステロールを下げる」という宣伝にひかれ、製薬会社の商品なので、「いいかも」と思った。 ドラッグストアで店員に聞くと、もう在庫がないという。「売れてるんだな」。ネットで探して、購入した。 目安の量を飲み始めて数日後、体がひどく重く、だるさを感じるようになった。仕事にも行きたくなくなるほどだった。トイレに行ってもすっきりせず、手がむくみ、まぶたが腫れた。 「健康になりたくて飲んだのに」 10日くらい飲み続け、かか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内受注のアプリ開発業務、北朝鮮技術者に無断で発注か 広島の会社
会社設立時に資本金があるように偽り不正に登記をしたとして、神奈川、広島両県警は27日、広島県福山市のソフトウェア企画会社「ROBAST(ロバスト)」代表社員の蓑毛勇郎(みのもとしろう)容疑者(42)=同市=と別のIT関連会社役員で韓国籍の朴賢一容疑者(53)=広島市南区=を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で再逮捕し、発表した。2人の認否を明らかにしていない。 神奈川県警によると、2人は同社設立後、事業マッチングサイトを使い、国内の企業から安価でアプリの開発業務を受注。企業側には知らせず、中国に滞在中とみられる北朝鮮のIT技術者に仕事を発注していたという。県警は、朴容疑者が北朝鮮の外貨獲得活動を担当する人物と関わりがあるとみており、報酬が北朝鮮に流れた可能性を調べている。 2人の再逮捕容疑は、2021年10月、300万円の資本金があるように偽って会社の設立登記をしたというもの。2人は失業手当を不正受給した詐欺容疑で今月逮捕されていた。 22年に同県警が摘発した、北朝鮮籍の男性らが絡むスマホアプリの開発などをめぐる銀行法違反事件の捜査の過程で、ROBASTによる、北朝鮮のIT技術者側への送金の疑いが浮上したという。 北朝鮮のIT技術者をめぐっては26日、警察庁や経済産業省などが、日本人になりすますなどして日本企業からアプリやソフトの製作業務を受注している疑いがあるとして、企業側に注意喚起した。北朝鮮に資金が流れることを認識して仕事を発注すれば、外為法などに違反するおそれがあると指摘している。(村上潤治) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
職員研修での教育勅語引用、広島市長「新年度も」 他の首長たちは?
広島市の職員研修の市長講話で戦前・戦中の「教育勅語」の一部を引用していることについて、松井一実市長は27日の定例会見で「新年度以降もちゃんと説明しながら使いたい」と述べ、引用を続ける考えを改めて示した。 松井市長は市長就任翌年の2012年以降、新規採用職員研修と新任課長級職員の研修で教育勅語の一節を引用している。22年4月の新規採用職員研修の資料の「生きていく上での心の持ち方」と題した項目では、「爾(なんじ)臣民 兄弟(けいてい)に 友に」で始まる一節を引用した。 教育勅語は戦前・戦中に国民を戦争へ動員する思想統制に利用され、戦後は日本国憲法と相いれないとして国会で排除・失効が決議されている。 27日の会見では、教育勅語について「市民の間にいろんな意見がある」「行政にいろんな要望があるという、そういう典型的な材料」などと従来の説明を繰り返した。 教育勅語について「あれがいいとか言ってるわけではありません」とした上で、政府が17年に教育勅語について「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまでは否定されない」との答弁書を閣議決定したことに言及した。 日本の町内会・自治会が戦時下で国民統制の末端組織として機能し、戦後にGHQの命令で解散したことを説明。「(町内会は戦後も)ずっと機能してたんですよ。そういうぐらいの意味なんですよ」と述べ、教育勅語について「そういうことの典型例として申し上げている」と話した。 会見の最後では「みなさんが私から言えば、『ためにする議論』をされてるから、あえてがんばっていると受け止めてください」「私は教育勅語を復活したいと思っているかもしれないとか、そういうのは疑心暗鬼から入ってるんですね、みなさんは。そうじゃないと申し上げていることを信じていただけない」などと語った。(魚住あかり) 広島の首長たちの見解は 広島県内の首長たちはどう受け止めているのか。直近の定例会見などで意見を聞いた。 湯崎英彦広島県知事は26日… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
太陽光発電施設で爆発 駆けつけた消防隊員4人が負傷 鹿児島・伊佐
27日午後6時ごろ、鹿児島県伊佐市大口大田の太陽光発電施設で「白煙が上がっている」と119番通報があった。伊佐湧水消防組合によると、駆けつけた隊員が現場を確認していたところ、爆発が起き、隊員4人が負傷した。1人が顔に重いやけどを負い、3人は打撲など軽傷という。 県警伊佐湧水署によると、爆発したのは、鹿児島市のハヤシエネルギーシステムが運営する発電所の蓄電設備がある建物。消防によると、白煙が出ていたため、隊員が扉を開けたところ、爆発したという。放水できないため、自然鎮火を待っているという。 現場近くに住む自営業者の女性によると、同日午後6時前、自宅にいて「どーん」という爆発音を聞いた。「大きな物が落下したような激しい音で、家が揺れた」。その後も5~6回、爆発音が続いたという。 女性によると、最初はしばら… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小林製薬なぜ対応後手に つかめなかった原因、見落とした遺族の投稿
小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)成分を含むサプリメントをめぐる健康被害。同社の対応が遅れるなか、新たな死者が確認され、入院は100人超に上った。原因の特定や被害の全容把握は進んでいない。企業の責任で健康への効果を表示し販売できる「機能性表示食品」制度の問題点があらわになった。 「大変問題があったと思う」。27日の衆院厚生労働委員会で、武見敬三厚労相は、行政への報告が遅れた小林製薬の対応を批判した。 厚労委での武見厚労相の答弁によると、同社が最初に問題を把握したのは1月15日。消費者庁へ連絡したのは2カ月以上後の3月21日だった。消費者庁の指示で同社が大阪市保健所に連絡し、大阪市経由で厚労省に連絡が入ったのは同社が問題を公表した22日だった。 その後、厚労省が再三、情報提供を求めるなか、同社は行政への報告前に被害情報の更新を続け、26日には初の死者が確認されたと公表した。厚労省は死亡例があったことを報道で知ったという。 林芳正官房長官は同日の記者会見で、同社の対応について、「まことに遺憾」との表現を2度繰り返し、いらだちを見せ、報告の遅れを批判した。 こうした事態に危機感を募らせた厚労省は、急きょ同社の担当者を東京・霞が関に呼び、消費者庁と合同で聞き取りを実施。その場で、さらに別の1人の死亡や100人超が入院しているとの報告を受けた。食品衛生法が定める「有害な物質」を含む食品による健康被害が生じていると判断し、26日深夜、廃棄命令などを出すよう大阪市に通知。日付の変わった27日未明に報道各社に通知内容を説明する異例の対応となった。被害の拡大を防ぐため、国が「直接介入できるようにした」(武見厚労相)。同日午後には、関係省庁による連絡会議を開き、今後の対応を協議した。 通知を受け、大阪市は27日、同社に対し3製品の回収を命じた。市の担当者は27日の会見で、報道陣からより早い情報共有があれば助言ができたのではと問われると「その通りだと思う」と認めた。吉村洋文府知事も同日の会見で、「健康被害が確認されてから2カ月経過しているので速やかに行政と相談すべきだったと思う」と話した。市幹部は「原因究明ができておらず、小林製薬側でも回収を進めているなかでこちらで命令を出すべきか判断がつかなかった」と漏らした。 首相官邸内には危機感が広がりつつある。自民党派閥の裏金問題を受けて、内閣支持率が過去最低水準に落ち込む中、この問題で対応を誤れば政権へのさらなる打撃となりかねない。官邸幹部は「これだけ広範囲に販売されている食品での被害は過去にない」と語り、厚労省の担当者に早急な対応を求めて直接指示を出したという。(後藤一也、笹川翔平、原田達矢) 小林製薬に腎疾患の入院患者を診察した医師から「サプリに、腎疾患を引き起こす成分が含まれているのではないか」との連絡が届いたのは、1月15日だった。 2月初旬にかけて、さらに数例の入院が同社に報告された。だが、問題を発表したのは、3月22日だった。小林章浩社長は同日の会見で「事実確認や原因究明に、結果として時間がかかってしまった」と釈明した。 識者「流通止める判断遅い」 医師らが当初指摘したのは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヒットした「コレステヘルプ」 機能性表示食品の泣きどころが表に
消費者庁は26日、「安全性に大きな疑念を抱かせる深刻な事案」として、6800の機能性表示食品すべての緊急点検を指示した。機能性表示食品の問題点とは何か。 「濃縮物を毎日摂取するという健康食品のリスクが端的にあらわれた事件」と、食品安全に詳しい科学ジャーナリストの松永和紀さんは話す。食事では、食べるものの種類や量などが日々変わるのが普通。だが、成分を濃縮して作るカプセルや錠剤などのサプリメントの場合、容易に大量の成分を摂取でき、毎日飲み続ける分、健康へのリスクも大きくなり得る。 さらに「紅麹コレステヘルプ」は、機能性表示食品として「悪玉コレステロールを下げる」などとうたっていた。機能性表示食品は、健康に与える効果(機能性)や製品の安全性の根拠を消費者庁に届け出さえすれば機能性の表示ができる制度。表示の文言も企業が比較的自由に設定でき、消費者に大きな訴求力を持つ。コレステヘルプも2021年の発売以来、約106万袋を販売。「生活習慣病関連の商品としてはヒット」(業界関係者)だったという。 機能性表示食品制度の導入検討時、消費者庁「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の委員だった合田幸広さんは、医薬品との品質管理のレベルの違いを指摘する。医薬品の製造では、治験で使用し承認を得たものと、同一の作り方で、有効成分以外の含有物質も同等のものを作り続けるよう厳しく定められている。 医薬品的な効果を期待させるが、製造工程は… しかし今回のサプリは機能性表… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル