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【そもそも解説】死刑執行、議論の現状は 詳しい運用実態明かされず
死刑囚に対する執行の告知時期をめぐる訴訟で、大阪地裁が15日に判決を言い渡します。現在の日本の死刑制度や議論の現状について解説します。 Q どのような事件で死刑判決が出るのか? A 「内乱罪(国の統治機構を破壊する目的などで暴動を起こす)」や「外患誘致罪(外国と共謀して日本に対して武力を行使させる)」といった聞き慣れないいくつかの罪でも法律は死刑を定めているが、多くは殺人の罪に問われ、裁判で死刑とされた場合だ。次に重い無期懲役とは決定的に質が違い、命を奪う刑罰であることから「究極の刑罰」と呼ばれる。 Q 今までどれくらい執行されてきたのか? 死刑に関する公開情報をまとめるNPO「クライムインフォ」によると、日本では終戦の1945年から2022年までに、計718人の死刑が執行されている。 60年ごろまでは年間20~30人台にのぼることも珍しくなく、70年代後半からおおむね1桁に。近年は2018年にオウム真理教の元幹部13人がほぼ一斉に執行されて計15人となったが、傾向に大きな変化はみられない。 法務省によると、今年3月末の時点で、死刑が確定している人は109人いる。 Q 判決が確定した後の流れは? A 刑務所ではなく、拘置所… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
かつて事前告知だった死刑執行 当日告知は違憲か 大阪地裁で判決
「今日と明日と、2日間の面会だから。あれも言い忘れた、これも言うときゃよかったということがないようにね」 大阪拘置所の職員からそう促され、女性はここに収容されている弟との面会に臨んだ。 弟は、2日後に死刑が執行されると決まったばかりの死刑囚だ。 弟はこの日も、翌日も姉と思い出話を続けた。職員に「名残はつきないが」と遮られると、姉に「笑って別れましょう」と言い、絞首台に向かっていった。 一連の音声は1955年、当時の拘置所長が「職員教育」の名目で回したオープンリールのテープに残っていたものだ。 かつては執行の1~2日前に、その予定を死刑囚に伝えていた時代があった。 いまは違う。死刑囚は執行の1~2時間前に告知を受け、刑場に連行される。 こうした運用について、2人の死刑囚が国を相手に提訴した。不服申し立ての制度があるのに行使できず、不必要に残酷だ。「適正な手続きによらなければ処罰されない」と定めた憲法31条に反する――と訴えている。 国は執行の告知について定めた法令がなく、そもそも告知をしなくても違法にならないと反論した。当日告知にしたのは、前日に告知した死刑囚が自殺したためで、今の運用は「円滑な執行のための合理的な方法」と主張している。 この訴訟の判決が15日午後2時、言い渡される。 死刑制度の運用をめぐっては、ほかに「絞首刑の残虐性」「再審請求中の執行の是非」を問う2件の訴えが大阪地裁に起こされている。 3訴訟を担う金子武嗣弁護士は「死刑制度は国民も実態をほとんど知らない。訴訟によってブラックボックスに小さくてもいいから風穴を開けたい」と話す。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鈴木おさむさんが語る「ソフト老害」と「亡霊のような自分」
有料記事 編集委員・森下香枝2024年4月14日 14時00分 「SMAP×SMAP」「離婚しない男」など数々のヒット番組を手がけながら、3月末で放送作家と脚本家を引退した鈴木おさむさん(51)。順調にみえるキャリアになぜ区切りをつけようと考えたのか。これからどんなセカンドキャリアを歩もうとしているのか。朝日新聞のインタビューにその心境を語りました。 ――なぜ、いま「引退」なのですか? 放送作家として20年以上、関わった番組「SMAP×SMAP」はテレビの全盛期にはじまり、2016年末に終わりました。その後も演出、脚本、プロデュースなど魅力的なお仕事をいただき、結果も出せてきたけれど、アドレナリンが出づらくなり、スイッチが入りきらないなと感じるようになっていきました。自分が死んでいることに気づいていない、亡霊のようになった状態なんですね。 「次も結果を」 絶えず緊張 ――仕事が楽しくなくなったのですか? そもそも32年間、放送作家の仕事をやっていて楽しいと思ったことはないんですよ。僕は目の前の人に認められたくて頑張ってきた。ほめられると「やったー」とうれしくなるけど、「次も結果を出さないと」という緊張も絶えずありました。 ――どんな緊張ですか? 僕はイチローさんや白鵬(宮城野親方)さんと一緒に仕事をしたことがあるのですが、彼らも同じことをいっていました。「楽しくないよ、ただただ苦しい」と。やっぱりそうだよなと共感しました。僕も番組を作っても視聴率が気になるし、バズらせないとダメだし……。数字が取れないとたたかれるシビアな業界ですからね。いつも結果におびえていました。 ――引退は早すぎるのではないですか。 最後に脚本を手がけたテレビ… この記事は有料記事です。残り1953文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鈴木おさむさんが引退後、はじめた「アドレナリンが出る」仕事
「SMAP×SMAP」など数々の大ヒット番組を手がけながら、3月末で放送作家と脚本家を引退した鈴木おさむさん(51)。これからどんなセカンドキャリアを歩もうとしているのでしょうか。インタビューの後編です。 ――引退後は何をするのですか。 僕はいま、ベンチャーファンドを立ち上げ、スタートアップ企業を応援する仕事をはじめる準備をしています。実は5年ほど前から僕のオフィスの下の階にシェアオフィスを作っていろんなスタートアップ企業に無償で提供してきたんです。放送作家の片手間だと彼らも本気で向き合わない。僕が辞めるといえば、この人、本気だなと思うじゃないですか。 ――インスタグラムで会社名「ゴーイングメリー」を発表しました。どのような活動をしているのですか。 今はLP(リミテッド・パー… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教え子からの手紙「先生、三条大橋で待ってて」 卒業式の4年後に
福岡県福津市にある、築100年を超える古民家「旧糀屋」。 宿泊や喫茶、ワークショップなど、津屋崎地区のまちづくり拠点の一つとして活用されている。 そんな旧糀屋で3月末まで店主を務めていたのが、廣橋智美さん(36)だ。 山口市で生まれ、中学高校は陸上競技に打ち込み、福岡の大学に進学。 卒業後に上京し、小中一貫教育を行っている品川区立八潮学園で6年間、英語教師として働いた。 その後、教師を辞めて店主をしていた彼女のもとに3年前、茶色い封筒が郵送されてきた。 差出人は「八潮RUNrun部」。 「懐かしいなぁ~、まだ活動してたんだ」 そう思いながら、メンバーたちの顔を思い浮かべた。 「体を絞って恋を実らせたい」「健康のために走ります」 そんな理由で集まった生徒たちで作った、部活動とは別のランニングチームだ。 高校生になっても続けていたことは知っていたが、大学生になった今も活動していたとは。 封筒の裏面には、こう書かれていた。 「差し支えなければ開封動画を自撮りしてください」 なぜ自撮り?と疑問に思いながらも、スマホをスタンドに置いて撮影しながら読むことに。 中に入っていた手紙を読んで、驚いた。 「僕たちは5周年を記念して… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
亡き娘の写真携え「一緒に」追悼式へ 熊本地震8年、各地で祈り
震度7を記録した熊本地震から14日で8年。大きな被害が出た熊本県内は、祈りに包まれた。大切な人を失いながらも前向きになろうとする思い、でも癒えない悲しみ……。遺族らの思いは錯綜(さくそう)する。 地震で次女花梨(かりん)ちゃん(当時4)を亡くした宮崎さくらさん(45)=熊本県合志市=は、夫や長女とともに県の追悼式に参加した。「私たちだけ8年も経ってしまったんだ」。時の流れを感じたという。 花梨ちゃんは先天的な心臓病を患っていた。入院先の病院が熊本地震で被災し、転院先の病院で亡くなった。災害関連死と認められた。 追悼式には、在りし日の花梨… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死刑の告知、遅くとも1カ月前 日本と違う米国の情報公開
死刑囚に対し、執行を当日に告知することの是非を問う訴訟の判決が15日、大阪地裁で言い渡される。海外の死刑存置国では、どのように執行を本人に告げているのか。米国の事例に詳しい古(こ)川原(がわら)明子・龍谷大教授(刑法)に、日米の運用の違いと、今回の訴訟の意義について聞いた。 米国では、50州のうち半数近い州が死刑を廃止・停止し、連邦政府も停止しています。執行を続けている州では、遅くとも30日前には執行予定が公表されています。米国の死刑に関する情報を網羅的に扱うNPO団体「死刑情報センター」のウェブサイトでは、数年先までの執行予定と死刑確定者の名前を載せています。 州ごとに異なりますが、州政府は具体的な執行の流れも公開しています。致死薬や銃殺といった執行方法の種類や手続き、家族や宗教者との面会、最後の食事のリクエストなど、細かく書かれています。執行前日に眠れなかったら、睡眠薬を渡したり、カウンセラーと面会したりすることを許す州もあります。 ■執行方法の選択、「最後の食… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死刑囚に当日、執行を告知するのは憲法違反か 大阪地裁であす判決
死刑の執行を直前に告知する今の運用は違憲だとして、死刑囚2人が「当日告知」を受け入れる義務がないことの確認や慰謝料を国に求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁で言い渡される。ブラックボックス化した死刑制度の実態に迫り、具体的な議論につなげようと原告らが起こした3訴訟で、初の司法判断となる。 ある朝突然、刑務官に声をかけられ、絞首台に連行される。不服申し立ての制度はあるのに使う猶予はない――。原告側はこうした運用が「適正な手続きによらなければ処罰されない」とした憲法31条に反し、日本も批准する国際人権規約が禁じる「残虐な刑罰」に当たると訴える。 死刑執行は刑事訴訟法上、判決確定から6カ月以内に法務大臣が命じることになっている。ただ、違反しても罰則のない「訓示規定」で、再審請求の審査などを理由に執行までに何年も経過するのが通常だ。 原告側は、執行2日前に告知を受けた死刑囚が姉らとやりとりする音声を収めた1955年の録音テープを証拠提出。70年代に同様の事例が4件あったとして、かつてのように「事前に告知すべきだ」と主張した。 国は過去に事前告知をしていたことを認めたうえで、前日に告知した死刑囚が自殺したことがあったため、現在の運用に改めたと説明。当日告知には「円滑な執行のための合理性がある」と強調した。原告が回答を求めた自殺の時期や状況については、「回答の必要がない」とした。 国はさらに、そもそも執行の告知について定めた法律はなく、告知は本人であることの確認や遺体や遺品の扱いをめぐる意向確認のためにしていると説明。「死刑囚に告知を受ける法的な権利はない以上、いつ告知するかは刑事施設の長の裁量に委ねられる」と反論した。 死刑制度の運用をめぐっては今回の訴訟のほかに、「絞首刑の残虐性」「再審請求中の執行の是非」を問う2件の訴えが大阪地裁に起こされている。 3訴訟を担う金子武嗣弁護士は「死刑制度は国民も実態をほとんど知らない。訴訟によってブラックボックスに小さくてもいいから風穴を開けたい」と説明する。 当日告知については「法律できちんと定めるべきなのに、執行機関が恣意(しい)的に運用している」と指摘。強盗殺人罪などで死刑が確定し、死刑と向き合う長い拘禁生活で精神を病んだ袴田巌さん(88)=再審公判中=に触れ、「当日告知が『死』以上の苦痛を毎日与えていることを裁判所は直視してほしい」と訴えた。(山本逸生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・目黒区長選に現新5人が立候補 区議補選も告示 21日投開票
東京都目黒区の区長選は14日告示され、現職と新顔、いずれも無所属の5人が立候補した。 届け出たのは、新顔の都議・伊藤悠氏(47)=都民ファ、国民民主推薦=、6期目を目指す現職・青木英二氏(69)、新顔の元区議・河野陽子氏(61)=自民推薦=、会社員の滝下隆行氏(41)、都議・西崎翔氏(40)=立憲推薦、共産、社民、目黒・生活者ネットワーク支持。 区議補選(被選挙数1)も告示され、6人が立候補した。 各陣営は、一斉に町に出て演説を始めた。駅前で区長選候補者の話を聞いていた男性(81)は「投票に行くのは年配者ばかりで、投票率がいつも低いのが残念。今回はいろんな候補が出て、話を聞いて選べるチャンス。有権者は、地元区政にもっと関心を持たないと」と話していた。 いずれも21日に投開票される。13日現在の選挙人名簿登録者数は23万4583人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル