ミスコン受賞者やスポーツ選手など、外国にルーツを持つ日本国民に「日本人らしくない」と中傷の言葉が投げかけられる事例が相変わらず続いている。 社会の多様性が進む一方で、なぜ「純ジャパ」幻想は維持されるのか。マジョリティーの「日本人」が抱く自画像を読み解いてきた社会学者の福岡安則さんに、幻想のよりどころをあらためて突いてもらった。 ◇ 観念の「日本人」を類型化してみると…… 日本人とは何か。それは定義不能で、問題設定そのものが虚偽だと思います。 定義可能なのは、国籍法による「日本国民」だけですが、それも立法いかんで変わる人為的なもの。「日本人」の概念規定はどこにもありません。にもかかわらず、自分が典型的な日本人だと信じているこの国のマジョリティーは、まるで自明であるかのような「日本人」という観念を保持しています。 その観念を「血統」「文化」「国籍」の3要素で類型化してみましょう。すべてそろった「純粋な日本人」のほか、いずれかの要素を欠く日系移民1世、帰国子女、帰化者、中国残留孤児、民族教育を受けていない在日コリアン、アイヌなどが抽出できます。もちろん現実にはグラデーションがあり、いずれにも当てはまらない人もいますが、あくまで理論的な類型枠組みです。 このうち、日本の多くの人が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
もっと「日本人」を冒険しよう アフリカ系関西人が漫画で描く世界
外国にルーツがある「日本代表」は珍しくなくなったが、見た目などで「違和感がある」といった声はいまだ消えない。「日本人」って誰なんだろう。そんな疑問を漫画で問いかける「アフリカ系関西人」の星野ルネさんに思いを聞いた。 カメルーンに生まれ、幼い時に母が日本人研究者と結婚して、4歳になる直前から兵庫県姫路市で育ちました。弟や妹は日本国籍で、僕だけカメルーン国籍です。日本国籍を取るのは書類の用意などが面倒で。それだけ。特に意味はありません。なに人かと意識することもあまりなく、あえて言うなら「アフリカ系関西人」です。 日本人はあまり「アジア系」って言わないけど、アフリカは連帯感がわりと強くて、「アフリカ人」という意識がある。関西人っていうのは、自分のベースにある思考や価値観です。苦労やつらい体験も、笑いに昇華させる文化がある。僕の経験を描いた「まんが アフリカ少年が日本で育った結果」も、自分がそうやって乗り越えてきた証しなんです。 漫画で描くことはすべて実話です。アフリカ系というだけで、英語がしゃべれる、足が速い、と思われる。「小学校から高校まで日本です」と言っているのに、「新選組もわかるの? すごいわね~」って。見た目から来る先入観は、なかなか変わらないですね。 でも、若い子はぜんぜん違う… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
消防本部でぼや、119番通報の制御装置が焼ける 岐阜・土岐市
岐阜県土岐市の市消防本部で9日、119番通報を指令台につなぐための制御装置から出火した。火は職員がすぐに消し止め、装置の一部が焼損した。 市の発表によると、9日午前4時10分ごろ、消防本部の指令装置の異常を知らせる警告音が鳴り、職員が確認したところ、1階通信室にある制御装置から出火していたという。 制御装置は2台あるため、119番通報への影響は無かったという。 市が出火原因を調査している。(寺西哲生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名鉄が水平リサイクル開始 駅でペットボトル回収、サントリーと協働
名古屋鉄道は、回収した使用済みペットボトルを再びペットボトルに再生する「水平リサイクル」に取り組み始めた。まずは、沿線の中でも乗降客が多い名鉄名古屋、金山(ともに名古屋市)の両駅で今月1日からスタート。対象駅の拡大も検討していくという。 飲料大手サントリーグループと協働。駅に設置した専用ボックスで回収したペットボトルを同社が指定するリサイクル業者に受け渡し、同社の新たな飲料用ペットボトルに再生する。資源として循環させることで、化石由来原料の使用量や二酸化炭素(CO2)排出量の削減が期待できるという。 2022年度の1日平均乗降人員は、名鉄名古屋駅が同社最多の約25万5千人で、金山駅が2番目に多い約15万3千人だった。今回の水平リサイクルの取り組みにより、年間でそれぞれ約21トン、約12トンのペットボトルを循環利用できる見込みという。(辻健治) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コンビニ駐車場近くでトラックにはねられ女児死亡 愛知・飛島村
9日午後9時10分ごろ、愛知県飛島村大宝6丁目で、歩道を歩いていた同県弥富市稲荷1丁目の小学3年生竹内陽妃さん(8)が、コンビニエンスストアの駐車場に入ろうとした大型トラックにはねられた。竹内さんは病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。 県警は同日、トラックを運転していた富山県砺波市福岡の会社員榊泰雄容疑者(60)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認めているという。 県警蟹江署によると、榊容疑者は県道から左折してコンビニの駐車場に入ろうとしたところで、竹内さんをはねた。食料を購入しようとしていたという。署が現場の状況を調べている。(稲垣千駿) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
だから、あなたもだまされます 詐欺見抜けない理由 心理学者に聞く
「私は、だまされない」。記者(28)の祖母(81)はそう思っていましたが、昨夏、特殊詐欺の被害に遭いました。被害額は100万円。特殊詐欺のニュースを見ながら「なんで、あんな詐欺に引っかかってしまうのか」と首をかしげる人も多いのではないでしょうか。被害者心理に詳しい立正大学心理学部の西田公昭教授(社会心理学)に解説してもらいました。 ――高齢者が被害に遭いやすいと言われます。年齢とともに認知機能が低下することと関係がありますか。 完全な勘違いです。家族の危機を察知し、時には銀行の制止を振り切ってまでお金を渡す。これは認知機能がしっかりしていないとできない。実際、働き盛りや若者、いろいろな世代が巻き込まれているんです。 ――実際にオレオレ詐欺の被害に遭った人の8割近くが、「自分は被害に遭わないと思っていた」と答えたという調査結果もあります。 警戒できていないわけだから、だまされやすいのは当然ですよね。「私はだまされない」と思って、無防備になってしまっている。自分の弱さを知らない「脆弱(ぜいじゃく)性の無知」と言うんですけどね。自分が弱い、もろい、だまされやすいと分かっていないから、誰かが被害に遭ったと報道されても「ひとごと」としか思っていない。だから、無警戒なんです。 ――なぜ人は「自分は大丈夫」と思い込んでしまうのでしょうか。 非現実的楽観主義といって… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小4男児がいじめ苦に転校 奈良教育大付属小「認識甘く態勢不十分」
奈良市の奈良教育大付属小で昨年、当時小学4年の男子児童がいじめを理由に転校していたことがわかった。奈良教育大が9日、記者会見を開き、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態にあたるとして児童と保護者に「深く傷つけたことをおわびする」と謝罪した。 弁護士や大学副学長らでつくる調査委員会は報告書で、男子児童が3年から4年の1学期にかけてクラスの児童から、「死ね」「消えろ」などの悪口を言われた▽ランドセルや筆箱などの所有物が壊されたり、ゴミ箱に捨てられたりした▽虫取りやサッカー、鬼ごっこなどで仲間外れにされた▽女子トイレに無理やり入れられた、など10項目をいじめとして認定した。 男子児童が昨年夏に転校を決め、同小校長が転校先の校長との電話のやりとりでいじめを把握し、大学側に報告した。 調査委は、学校側がこのいじめを「児童間のトラブル」ととらえて組織的な対応を取るのに約1年を要したことや、校内のいじめ防止の対策が具体性を欠くことなどを指摘。保護者から連日の欠席はいじめが理由であると伝えられていたことも踏まえ、転校に至る前に対処を検討するべきだったと結論づけた。 会見では、男子児童の父親の「所見」も発表された。「息子が大事にしていたお守りをバラバラに解体してトイレに捨てた」「息子について『クラスで要らないと思うやつ』とクラス全員に挙手させ、居合わせた担任が真剣に関与しなかった」という二つの行為を「息子を絶望させた最も陰湿な出来事」とした。 その上で、報告書の概要版に、二つの事実の記載がなかったことを「到底受け入れられない。いじめの全容を薄めて見せたいという意図すら感じられてならず、残念」と記した。 宮下俊也学長は所見について「重く受け止める」と述べ、「既に調査委員会が解散したため、追記ができなかった」と釈明した。担任教員は単年度採用で、3月末に任期満了で退職しているという。 また、宮下学長は、学校の対… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
機能性表示制度、専門家による「検討の場」設置へ 消費者庁
小林製薬の機能性表示食品のサプリで健康被害の報告が相次いでいる問題を受け、自見英子消費者相は、9日の衆院消費者問題特別委員会で、専門家による「検討の場」を設ける予定であることを明らかにした。消費者庁は機能性表示食品制度を所管している。 自見消費者相は同日、公明党の消費者問題対策本部・古屋範子本部長と厚生労働部会・伊佐進一会長から緊急提言を受けた。また、自民党の消費者問題調査会・船田元会長と意見交換をした。 公明党は、新規成分の安全性の確認や製造過程における適正な品質管理、健康被害情報の報告ルールなどの検討を求めた。自見消費者相は、原因究明の途中だとしつつ、「小林製薬からの報告が2カ月かかったのも事実」として、報告ルールの検討が「大事なトピックになってこようかと認識している」と話した。(寺田実穂子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
怒りを静めるには紙とゴミ箱、シュレッダーでも可! 名古屋大が実験
怒りを覚えたらその思いを紙に書いて、ゴミ箱に投げ捨てたりシュレッダーにかけたりすれば気持ちを静める効果があると、名古屋大の川合伸幸教授(認知科学)らの研究グループが実験で確かめた。職場や家庭で簡単かつ有効に怒りを抑制できる方法だとすすめる。研究成果が9日付の科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載される。 怒りを覚えたときに、どうすれば気持ちを静められるか、様々な知恵や方法が提案されているが、科学的な根拠があるものは実は少ない。 豊臣秀吉とゆかりがある愛知県清須市の日吉神社には、自分の捨てたい思いを封じ込めたお皿を割る「はきだし皿」という催しがある。同じように、怒りを感じた状況を紙に書いて捨てることで怒りが収まるか、研究グループは二つの実験をしてみた。 まず名古屋大の学生50人(平均21・1歳、うち女性16人)を対象に、「公共の場での喫煙」などをテーマに随筆を書いてもらった。先輩にあたる博士課程の大学院生がその随筆を「知性」「親しみやすさ」「合理性」など6項目で評価、9段階で下から2~4番目の低い点数をわざとつけた。さらに、「大学生が書いた文章とは思えません。この人には頑張って大学で勉強してほしいです」とコメントした。 学生たちには、受け取った評価とコメントを2分間読んだあとに、どう感じ、なぜそう思ったかを紙に書いてもらった。50人のうち半分には紙を裏返して机に置いてもらい、残り半分には紙を丸めてゴミ箱に投げ捨ててもらった。 この二つのグループには、①随筆を書いた直後②先輩から低い評価を受けた直後③紙を机の上に置いたりゴミ箱に投げ捨てたりした直後――の3段階で、様々な怒りの感情の度合いを1~6点で評価してもらっていて、その変化を調べた。 その結果、紙を机に置いたグ… この記事は有料記事です。残り862文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震で隆起した海岸に応急道路 異例の手法でGWまでに復旧めざす
能登半島地震による大規模な土砂の崩落で、不通となっている半島北側の日本海沿いの国道249号について、国土交通省は9日、地震で隆起した海岸に応急道路を設けると発表した。国内でも異例の手法だという。5月の連休までに緊急車両などに限り通行できるようにする。 同省能登復興事務所などによると、石川県輪島市の白米千枚田の東側で通行止めになっている約800メートルの区間で、隆起した海岸に土を盛り、対面通行可能な幅7メートルの道路を長さ約430メートルにわたり新設する。既に工事に着手しているという。 通行は緊急車両と地元住民の車に限るが、輪島市中心部と同市南志見地区などを直接往来することが可能になる。 波の高いときは通行止めにし、崩落した土砂の状態をセンサーで監視するなどして安全を確保する。国道249号の海沿いは他に2カ所で大規模な崩落があり、引き続き復旧方法を検討する。(久保智祥、土井良典、安田琢典) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル