陸上自衛隊大宮駐屯地(さいたま市)の第32普通科連隊が、X(旧ツイッター)で同隊の活動を紹介する際に、「大東亜戦争」という言葉を使って投稿していた。政府は太平洋戦争を指す言葉として、この呼称を公式文書では用いていない。同隊は7日、取材に公式アカウントであることを認めた上で、「本日はコメントすることができない」とした。 同隊は5日、硫黄島(東京都)で日米合同で開催された戦没者の追悼式に参加したことをXの公式アカウントで紹介。「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島」「祖国のために尊い命を捧げた日米双方の英霊のご冥福をお祈りします」などと投稿した。 日本は1940年、欧米からアジアを解放し「大東亜共栄圏の確立を図る」との外交方針を掲げ、41年12月の開戦直後に「大東亜戦争」と呼ぶことを閣議決定した。戦後、占領軍の命令で「大東亜戦争」の呼称は禁止された。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
減る人件費、安定ポスト、研究時間…国立大法人化20年、現場の嘆き
国立大学が法人化されて20年。運営費交付金は削減され、研究費の多くを競争的資金で獲得する仕組みに変わった。法人化の目的とされていた、国立大の研究力や教育力は活性化されたのか。朝日新聞は学長とともに、全国大学高専教職員組合の協力を得て教職員にもアンケートを行い、407人から回答を得た。数多く寄せられたのは、厳しい現状を訴える声だった。(山本知佳、増谷文生) 「学生が安心して使えるトイレを増やしたい」 金沢大は昨年、トイレを改修するためにクラウドファンディング(CF)を実施した。2カ月で目標額300万円を上回る355万円を集めたが、SNSでは「どんだけお金ないのよ……」などと驚きの声が広がった。同大の社会科学系学部の教授からは「(施設整備費など)必要な経費が回ってこない」との声が届いた。 国からの運営費交付金は、ト… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【そもそも解説】国立大は20年前の法人化で何が変わったのか
行財政改革の一環(いっかん)で、2004年4月に国立大が法人化されて20年がたちました。この間に、国立大を中心に研究力の低下も指摘(してき)されています。なぜ法人化が行われ、この間に何が起きてきたのか。いちから解説します。 Q 国立大はなぜ2004年に法人化されたのか? A 国の一機関だった時は、予算や人事の細部まで文部科学省が決めていた。だが、世界の大学などと競い合っていくには、国が全てをコントロールする手法は限界に達していた。社会の変化に対応して、スピード感を持って教育や研究を活性化するには独立すべきだ、という機運が大学関係者の間で高まっていた。 ちょうどその頃(ころ)、小… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
交付金減った国立大 法人化20年、学長7割「悪い方向に進んだ」
2004年に国立大学が法人化され、4月で20年。法人化とその後の大学政策の影響について、朝日新聞が全86国立大の学長に尋ねたところ、回答者の7割弱が、教育・研究機関として「悪い方向に進んだ」と考えていることがわかった。国や産業界がイノベーション創出を期待する国立大だが、国から配られる運営費交付金が減額された影響を指摘する声が多かった。 大学同士の競争を促すことで、教育や研究を活性化させる――。国の一機関だった国立大は、そうした目的で法人化された。関係する12万人近い公務員を削減する狙いもあった。 朝日新聞は1~2月、学長86人に対し、20年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた35問に、92%に当たる79人が回答した。 「法人化以降の20年間で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2人乗り自転車がガードレールに衝突、1人死亡 愛知・豊田
7日午後1時半ごろ、愛知県豊田市北篠平町の国道419号で、20代くらいの女性が2人乗りする自転車がガードレールにぶつかって転倒。1人が頭から血を流して病院へ搬送されたが、まもなく死亡が確認された。もう1人の女性も頭にけがをして搬送された。 豊田署によると、現場は片側1車線で直線の坂道。自転車は歩道を走っていたらしい。署は、女性の身元などを調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新選組・土方歳三の遺髪、今も残る 東京・日野の資料館で限定初公開
幕末に新選組副長を務めた土方歳三(1835~69)のものとされる遺髪が、東京都日野市日野本町2丁目の「佐藤彦五郎新選組資料館」で初公開されている。公開は29日までの日曜・祝日のみ。 歳三は旧幕府軍と新政府軍による北海道の「箱館戦争」に臨み、函館市内で銃弾に倒れたと伝えられている。だが、最期を迎えたのが「一本木関門」か「異国橋」の説があり、遺体は見つかっておらず、埋葬地も特定されていない。 ただ、この戦いが自分の最期… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昨年のいじめの事件、直近10年で最多 学校から警察への通報が増加
昨年に小中高生がいじめで摘発や補導をされた事件は、前年から66%増えて292件となり、いじめ防止対策推進法が施行された以降の10年で最多となった。警察庁のまとめでわかった。補導された小学生は125人で、統計の残る1991年以降で最多だった。 国は昨年、深刻ないじめについて警察への相談や通報を促しており、警察庁はこうした「学校・警察連携」が進んだことが、事件化される例の増加の背景にあるとみている。 同法は2011年に大津市立中2年の男子生徒がいじめを受け自殺した事件を機に成立し、13年9月に施行された。小中高生のいじめの事件は法施行直後の14年は265件で、その後減少傾向にもなったが、23年は14年を上回った。 昨年の292件を罪種別でみると、暴行が102件と最多で、傷害60件、児童買春・児童ポルノ46件と続いた。事件全体の2割強でインターネットが使われ、その半数以上が児童買春・児童ポルノだった。性的な画像を撮影させ、SNSで送らせて広めるなどがある。 児童ポルノ増加 スマホ普及が要因か 児童買春・児童ポルノは10年前から3倍近く増えた。警察庁はスマートフォンの普及が要因とみている。 昨年に事件で摘発や補導をされた小中高生は、前年比81%増の404人だった。小中高生のいずれも前年から増えたが、特に小学生は過去最多。小学生では強要が、中高生では児童ポルノが目立った。 文部科学省は昨年2月、全国の学校に対し、子どもの生命や財産に重大な被害が生じるいじめについて、警察へ相談や通報をするように要請した。特に児童ポルノは拡散しやすくネット上に残るため「一刻を争う事態も生じる」とし、すぐに警察と連携して対応するよう求めた。 ただ、いじめで通報に至る例はまだ限られる。文科省の調査では、22年度に全国の小中高校などで認知されたいじめ約68万件のうち、学校が警察に相談・通報した件数は約2千件だった。(板倉大地) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
結婚したとき、2人とも姓を変えなかった 狭き門の突破口は
両親が先日、「ダイヤモンド婚」の記念日を迎えた。60年前に結婚したとき、2人とも姓を変えていない。それぞれ「井田」姓だったからだ。 母は当時、国家資格になって間もない美容師免許をとっていて、いつか自分の名前で店を開きたいと考えていた。「『婿養子』をとらない限り、女性は結婚で姓が変わるもの」と思われていた時代。一生、自分の姓を貫けるとは思っていなかったが、父とお見合いして、「今のお免状の名前のままでいいんだな」と内心、ほっとしたという。 同姓同士であれ、婚姻届に夫婦どちらの姓を使うかを記し、そちらが「戸籍筆頭者」になる点は同じだ。とはいえ、現実に姓を変えずに済んだ母には、思ってもみなかった「突破口」だった。 時を経て、人々の生き方や結… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「いじめは犯罪」じわり学校に浸透 でも残る「警察沙汰」への拒否感
小中高生がいじめで摘発・補導されるケースが増えていることがわかった。背景には、いじめ対策における学校と警察との連携の広がりがある。ただ、「学校の問題は学校で解決するべきだ」という教員の意識は依然強く、識者はさらなる連携強化が必要だと指摘する。 「いじめといっても犯罪は犯罪。心が痛みますが、警察に渡さざるを得ません」 東京都内の市立中学校長は毎年4月、全学年の保護者会で親たちにそう話しているという。あらかじめ説明しておくと、実際に警察に通報する際に保護者からの反発が少ないという。一昨年、生徒が塾帰りに同級生から1万円を脅し取ったときもためらいなく通報した。保護者からの抗議などはなかったという。 校長は「いじめは校外で起きるものや他校の生徒がからむものもあり、学校だけで調査するのは難しい。子どもも警察に行けばしゅんとして非を認めやすい」と話す。 学校現場では長年、いじめを「警察沙汰」にすることへの抵抗感が強かった。2013年に施行された「いじめ防止対策推進法」で警察署と連携して対処するよう定められても、保護者の反発が予想されるうえ、教員の間に「校内で解決すべき問題」との意識が根強くあり、なかなか進んでこなかった。 教委に警察OB 連携の動き、文科省も後押し だが近年、学校と警察の協力… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「鉛筆は人を裏切らない」 大人向けでヒット連発、町工場の心意気
鉛筆は人を裏切らない――。「鉛筆離れ」が進むなか、そんな思いでヒット商品を生み出す町工場がある。子どもたちに加え、新たなターゲットは、鉛筆から「卒業」した大人たちだ。 東京都葛飾区の住宅街に、大きな鉛筆の絵が描かれた「北星鉛筆」がある。従業員25人の町工場だ。 工場内には、さまざまなアイデア商品が並ぶ。昨秋デビューした「大人の水彩色鉛筆」は、芯がシャープペンのようにスライド式で使いやすい一方、軸は木製で、あたたかみのある質感だ。描いたところに水をたらすと、にじんで水彩画のようになる。削り落とした芯も絵の具として使えるから、無駄がない。 明るい赤紫色のマゼンタや、緑みがかった青色のシアンなど、混ぜて多彩な色が表現できる13色をとりそろえる。あたたかな鉛筆の長所と、削りかすが出るという短所に向き合い、大人好みに仕上げた自信作だ。 「鉛筆のある限り…」初代の教え アイデアの源泉は――。4代… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル