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感染制御が専門の順天堂大学・堀賢教授に聞きます。 ※東京都で新たに124人の感染確認について
ホストクラブの従業員などが集団検査を受けているので、感染者の数は100人を超えてきていますけど、額面通りに受け取れない部分もあります。ただ、2日連続で超えるとなると、ただの偶然ではなく、感染拡大の時期に入っているかと思います。休業要請解除の影響は、100人にまで増えた理由の1つとして強く疑われます。恐らく、今後、2週間は増えていくと思います。来週には180~200人になる可能性もあります。PCR陽性率や相談件数も増えてきて、市中感染の拡大の兆候が出てきた。“第2波”への懸念がますます強くなっている心配があります。 ※4月との違いについて
4月は、37.5度の発熱があって、症状があるなど、感染の可能性が高い人を絞り込んで検査していましたが、今は、少し疑わしい人でも、早めに検査をして、早い段階で感染を確認し、隔離ができるようになりました。4月よりも2次感染をさせるリスクが減ってきています。今は、若い世代の患者が多いです。一方で高齢者が少ないので、入院患者の数も、重症者の数も少ないということです。入院患者の数については、今は退院の条件が変わって、これまではPCR検査が2回“陰性”にならないと退院できませんでしたが、今は条件が緩和され、退院する人も増えてきています。また、治療薬も治験が行われており、診断もスピーディになっていて、医療用ベッドの供給体制も4月よりは改善されています。ただし、今後、若い世代から高齢者に感染が広がっていくと、入院患者数や重症者数も増えてきてしまうので注意が必要です。 ※今後について
今は高齢者が行動に慎重になっている一方で、若い人に危機感があまりなく、最近は気温が高くなったこともあり、マスクを着用しない人が目立ってきました。今後、若い世代から高齢者に感染が広がっていくと、4月のような年齢の割合になってくると思います。そうすると、重症患者が増える。ベッドが埋まる。そのようになってはいけない。若い人は「かかっても軽く済むよね」など、どこか他人事のように感じている人もいるかもしれない。これは、みんなの全世代、共通の問題として理解をしていただいて、対策をみんなでしていけば、ある程度、感染の拡大は遅らすことができます。また“夜の街”を中心に営業自粛をする代わりに、例えば、従業員への無料検査や、店舗の安全指導などの将来性のある補助をするなど対策を推進していけば、みなさん納得できるのではないでしょうか。今、行った行動が2週間後の数字に出てきます。私たち1人1人が「マスクや手洗い」「3密を防ぐ」などの対策をすれば、ちゃんと行えば、感染の拡大を止めることができると思っています。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース