永瀬拓矢叡王(27)に豊島将之名人・竜王(30)が挑戦している将棋の第5期叡王(えいおう)戦七番勝負(ドワンゴ主催)の第2局は5日午後10時5分、お互いの玉将が捕まらない状態になる「持将棋(じしょうぎ)」が成立し、222手までで引き分け無勝負となった。後日、先手後手を入れ替えて改めて指し直しが行われることになった。
「持将棋」は、お互いの玉将が相手陣に入り込んで捕まらなくなった状態で、玉を除く大駒1枚を5点、小駒を1点と数え、両者の点数がそれぞれ24点以上あれば成立し、引き分け無勝負となる。24点に満たない方は負けとなる。本局は豊島名人の先手番で午前10時に始まり、最終盤ですでに点数を満たしている永瀬叡王と、1点足りない豊島名人の「あと1点」を巡る攻防が繰り広げられた。最後に豊島名人が点数を満たして持将棋が成立した。
タイトル戦では珍しく、当時の羽生善治王位に木村一基八段が挑戦した2014年8月の第55期王位戦七番勝負第3局で22年ぶりに持将棋が成立。女流タイトル戦では、加藤桃子女流王座に伊藤沙恵女流二段が挑戦した2015年11月の第5期女流王座戦五番勝負第3局で成立し、引き分け無勝負となっている。通常の対局は休憩をはさんですぐに指し直しとなるが、タイトル戦の場合は終局時刻によって後日指し直しとなる場合がある。(村上耕司)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル