渡辺明棋聖(36)=棋王、王将とあわせ三冠=に藤井聡太七段(17)が挑戦する第91期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局が9日、東京都千代田区の都市センターホテルで指され、渡辺が142手で勝ち、対戦成績を1勝2敗とした。藤井が史上最年少でのタイトル獲得まで「あと1勝」として迎えた大勝負。事前の研究で「ある一手」を発見していたかどうかが、勝負を分けた。
対局は午前9時に始まった。先手の藤井が選んだ戦型は角換わり。第1局では、これまで採用が少ない矢倉を採用したが、タイトル獲得がかかる本局では最も得意とする作戦を選んだ。
双方の研究通りの局面が続き、正午の昼食休憩を迎えた時点で76手目まで進むハイペースになった。休憩が明けてほどなくして迎えた局面がポイントとなった。
90手目「△9九飛」。
飛車で王手をかけられた藤井の手が止まった。30分、1時間……。残り2時間4分のうち1時間23分を費やした大長考は、誤算が生じたことを示していた。
1時間23分の大長考が意味するものは。対局後の二人の言葉から、将棋担当記者が勝負を分けたポイントをひもときます。
厳密には、この段階で形勢に差…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル