東京都は12日、新型コロナウイルスの感染者が新たに206人確認されたことを発表した。4日連続で新規感染者が200人を超えた。福井県ではこの日、東京に滞在歴のある男性1人の感染者が明らかとなった。同県で感染者が出るのは75日ぶり。全国的に感染が広がる中、西村康稔経済再生担当相は記者会見で、政府の観光支援事業「Go To キャンペーン」について、「注意しながら進めていく」と述べ、22日から予定通り開始する考えを示した。 感染者増は首都圏にとどまらず、地方への波及が現実味を帯びてきた。 この日、東京では新たに206人の感染者が確認され、4日連続で200人超の高水準が続いている。累計の感染者数は7927人。小池百合子知事は、「年齢的には今日も20代、30代が7割を占めている」と、感染者の多くが若年層であることを明らかにした。 首都圏と地方との往来に関連した感染が相次いでいる。福井県はこの日、県内在住の30代男性が感染したことを発表した。県内で新規感染者が確認されるのは、4月28日以来、75日ぶりで計123人目。男性は会社役員で、先月29日~今月9日に東京へ出張しており、県担当者は「都内での感染でほぼ間違いない」との認識を示している。 県によると、男性は自家用車で東京と福井市間を往復。11日間の東京滞在中、接待を伴う飲食店などの夜の繁華街には「行っていない」と話しているという。東京から帰った翌日の10日に頭痛とけん怠感があり、12日に検査で陽性と判明された。県は同居家族2人の検査や、男性の行動の詳細などを調査している。杉本達治知事はこの日、首都圏など感染者が多く発生している地域について「移動は慎重な判断を」とし、「クラスターが発生しているような施設には極力立ち寄らないように」と県民に呼び掛けた。 また長野県でもこの日、東京在住で、軽井沢町の別宅に滞在していた30代男性会社員の感染が確認された。県によると、男性は今月上旬、東京と軽井沢町を新幹線などで複数回往来しており、6日には都内の知人宅で計6人で会食。このうち男性のほか2人が発熱などの症状を訴えているという。 政府は、旅行代金の半額相当額を支援する「Go To キャンペーン」を、当初予定の8月上旬から今月22日に前倒しして開始する。同キャンペーンは観光地の消費喚起を狙うものだが、首都圏から全国的にウイルス感染再拡大の兆候がある中、見切り発車感は否めない。 西村経済再生相は12日の記者会見で「感染防止策と経済社会活動を両立する段階だ」と強調し、22日からのキャンペーン開始に変更はないとの認識を示した。一方で首都圏の休業要請について「東京で(休業要請を行い)遊べないなら、埼玉、神奈川、千葉県に行こうとならないように、首都圏一体で取り組んでいくことが大事」と述べ、今後の感染状況次第で、1都3県での休業要請を検討する考えを示した。
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