新型コロナの影響でふるさとに帰ることができなくなったベトナム人たちがいます。 そんな彼らを救ったのは名古屋の寺の住職でした。
名古屋市天白区の緑豊かな場所にあるお寺、徳林寺。 5月、コロナによる日本経済悪化の影響を受け、仕事も家も失った12人のベトナム人が身を寄せていました。 「北海道から来ました。私の仕事はクリーニングです」
「私は滋賀県です。仕事は縫製です」
「沖縄から来ました。仕事は建設業でした。技能実習生です」(ベトナム人) 日本の産業を支えてきたベトナム人たち。みな、突然仕事を失い収入がゼロになっていたのです。 ベトナム政府はチャーター便を運航するものの、数は非常に少なく帰るめどは全くたっていませんでした。
そんな彼らを見かね、SNSで呼びかけたのが在東海ベトナム人協会の副会長を務めるユン・テイ・トゥイ・ユンさん。 そして徳林寺の住職・高岡秀暢さんが困り果てた彼らに救いの手を差しのべたのです。 「いいですか?と言われたから、いいですよと言ったぐらいで、ある意味では当然だし、若い人が来てくれるのはうれしいこと」(住職 高岡秀暢さん)
住まいは参拝者用の宿舎。 実は住職、30年近く生活困窮者や留学生を支援してきました。 4年前に来日したグエンさん、29歳。愛知県半田市の自動車工場で働いていました。 「1か月に10万円ぐらいは仕送りしていた。家族のために日本で我慢して仕事をしていた」(グエンさん)
食料は当初、近所の住民や檀家が寄付をしていましたが、その後全国から支援が届くようになりました。 光熱費などは寺がもつため、ベトナム人たちの負担はありません。 住職はなぜそこまでするのでしょうか。 ギリギリの生活を続けてきた彼ら。 “帰りの飛行機代だけは絶対に残しておかなければいけない”。住職はお金を使うことができない事情を察していました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース