絵に描いたような生真面目な俳優だった。鈴木清順や深作欣二ら個性豊かな監督の映画では強烈な人物を演じたが、日活時代で最も渡さんらしいと感じたのは「愛と死の記録」(66年)だ。吉永小百合さんと愛し合いながら原爆症で死んでいく勤労青年を折り目正しい演技で表現した。
敬愛する日活の先輩、石原裕次郎さんとテレビドラマ「大都会」(76年)で共演。裕次郎さんの無頼な新聞記者に対し、渡さんは妹思いの生真面目な刑事役だった。当初「大都会」は人間ドラマを前面に出していたが、PARTⅡから次第にアクション重視になり、カーチェイスや爆破シーンが売りの「西部警察」に進化して幅広い人気を得た。
俳優人生は決して順風満帆とは…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル