与野党7党の党首らは7日、NHKの参院選(21日投開票)討論番組で憲法改正や消費税などについて論戦を交わした。安倍晋三首相(自民党総裁)は憲法改正について「議論をして義務を果たしていくのか、義務を果たしていないのかが問われている」と述べ、参院選の争点として憲法改正論議推進の是非を改めて挙げた。
立憲民主党の枝野幸男代表は「(国民は)憲法の議論に政治がエネルギーを注ぐことを求めているのか」と疑問を呈し、「優先順位が高いとは思っていない」と述べた。共産党の志位和夫委員長も「(衆参両院の)憲法審査会は憲法改正原案をつくる場。国民が望んでいないのに動かす必要はない」との考えを重ねて示した。
一方、憲法改正の手続きを定めた国民投票について政党によるテレビCMを原則、禁止とする独自の改正案を提出している国民民主党の玉木雄一郎代表は「1日も早く議論していただきたい」と訴え、日本維新の会の松井一郎代表も「憲法審での議論を求めているが、枝野さんも、志位さんも議論すらしない。国会議員として無責任きわまりない」と強く批判した。
公明党の山口那津男代表は「自民党にも性急な言動で議論の進行を妨げている部分があった。与野党ともに議論できる状況になっていない」と慎重な姿勢を示した。
10月の消費税率10%への引き上げに関しても議論した。首相は予定通り実施する方針を重ねて表明し、「伸びていく社会保障費を維持していく上で上げざるを得ない」と理解を求めた。野党はこぞって凍結を求めた。
枝野氏は「個人消費が冷え込み続けている中で増税は大きなマイナス」と指摘。志位氏も「(日本経済は)8%への増税の打撃から回復していない」と語った。松井氏は「増税の前に国会議員が身を切る改革をやるべきだ」と訴えた。
首相は、雇用環境の改善を進め、支え手を増やすことで年金制度の安定を図る考えを強調した。
枝野氏は、財政制度等審議会がまとめた建議で、75歳以上の後期高齢者の医療費の自己負担を、現行の1割から原則2割に引き上げるべきと提言したことに言及。「政府は(建議を)受け取っている。本当にやろうとしているのか」と首相に詰め寄った。首相は「打ち出の小づちはない。私たちもでできる限り年金も増やしたい。できもしないことを言うのは簡単」と反論した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「貯金ゼロでも、不安ゼロの社会づくりがこれからの方向性だ」と述べ、最低限の生活を維持できる年金額の確保を求めた。社民党の吉川元・幹事長は「大企業などにたまり続ける富を再分配すべきだ」と語った。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース