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再び政権に就いてから7年8カ月。歴代最長の政権を築いてきた安倍総理が、「持病の悪化」を理由に辞意を表明しました。 ◆官邸キャップの吉野真太郎記者に聞きます。
※辞任表明に至るまで、どのようなことがあったのでしょうか。
やはり体調。先週、病院に行った後、周辺に「このまま改善しなければ続けられない」と漏らしていたといいます。きょうの記者会見ですが、これまで何度も現場で聞いてきましたが、こんなに声がか細かったのは記憶にありません。安倍総理も辞めるにあたって相当な葛藤があったといいます。先週の時点で、ある周辺には「薬の調整をして何とか乗り切りたい」と話していましたが、別の周辺には「どう幕を引こうか」と弱気ともとれる発言をしていました。そのなかで、政治日程を踏まえて、極力、ソフトランディングさせたかったといいます。9月末の自民党役員人事、内閣改造が控えています。その後、臨時国会など、年末に向けて、公務の密度が高くなります。実は、来週にかけてG7でワシントンに行く可能性があったため、日程が開いていた。そういうこともあって、このタイミングを見定めたと思います。 ※ポスト安倍について
安倍総理に総裁選で主導権を発揮してやろうという意欲は、今のところ感じられません。ただ、これまで取材していて、安倍総理の路線の継承、特に外交の継承という観点から岸田さん押しということは、ひしひしと感じてきました。一方で、「岸田さん、今一つ、突き抜けてくれないな」とも思っていて、「ネクストバッターズサークルでの素振りの音が聞こえない」と悩ましさを口にすることもあったといいます。岸田さん自身、自民党の政調会長で、色々なことができるポジションですが、現在のコロナ対応で存在感を示せているかというと疑問ということもあります。今の時点で、安倍総理は、意中の候補を絞り切れていないということだと思います。 ◆与党キャップの山本志門記者に聞きます。
※自民党内の動きはどうなっているのでしょうか。 安倍総理の辞意表明を受けて、自民党内では、各派閥が集まって、今後の対応を協議するなど、慌ただしい動きを見せています。麻生副総理が率いる麻生派が、今夜、赤坂で集まりました。関係者によりますと、この場で、河野防衛大臣が「今は勝てない」として、今回の総裁選に出馬しない方針を確認する見通しであることがわかりました。そして、今後の総裁選の構図ですが、いち早く意欲を見せている岸田政調会長と石破元幹事長を軸に動いていくことになります。ただ、こうした構図で進むのかどうかは不透明さも出てきています。次の総裁選は、通常の形を取らず、両院議員総会で行われる方針です。これは、地方票の比重が低いため、国会議員票を固めきれてない石破さんにとってみれば、非常に不利となる決め方だと見られています。また、岸田さんに対しては、発信力への課題や“選挙の顔として戦えない”など、党内から疑問の声も上がってきています。このため、第三の候補が出てくれば、その人が台風の目になる可能性があります。そこで、浮上してきているのが、菅官房長官です。自民党内からは「コロナの状況を考えれば、政策の継続性を踏まえ、菅さんしかいないのではないか」という声が、急速に広がってきています。ただ、菅長官自身は、「全く考えていない」と明言していますので、今後、名乗りを上げるのかどうかが焦点となります。複数の自民党幹部は、「次の総理は、安倍総理の任期の残りとなる1年間だ」とも言っていて、あくまでも、緊急の後任選びだという点を強調しています。1年後に、再び総裁選が行われます。各候補は、こうした大きな流れを見ながら、今、名乗りをあげることが得策なのか、判断していくものとみられます。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース