新型コロナウイルス感染防止対策をしていると示す福岡県の感染防止宣言ステッカー。掲示する飲食店への感染対策費の給付制度を整えたこともあり、申請数は1万3千件を超えたが、掲示店でクラスター(感染者集団)も発生している。そもそもステッカー入手の前提となる感染防止対策は自己申告制で、対策が不十分な店でも入手可能。県はどのようにして実効性を持たせるか試行錯誤している。 【画像】ステッカー申請の際の主なチェック項目 ステッカーを張っている飲食店がちらほら見られるようになった、福岡市中央区の飲み屋街。8月17日から入り口に掲示している「手羽先とホルモン酒場喜っど」では、消毒液の設置や従業員のマスク着用はもちろん、座席の間隔を広げたり、4人以上の客を複数のテーブルに案内したりして感染を防いでいる。コロナの影響で、客が10人を下回る日もあるだけに浅谷凌店長(28)は「ステッカーを見て、立ち寄る客が増えてくれれば」と期待を寄せる。 ステッカーは県が同7日からホームページで配信。「換気を徹底する」「料理の提供は大皿を避ける」など業種ごとに定められた約20項目の感染防止策を満たせば入手できる。県は持ち帰り以外の飲食店約4万8千店を対象に、ステッカー掲示を条件として1店舗当たり5万円、複数店舗を運営している店に10万円の感染防止対策費を給付する方針を示しており、ステッカーの申請数は1日現在1万3380件。このうちレストラン・料理店が4162件、居酒屋が2782件、スナックなど接待を伴う飲食店が1950件を占める。
◇ ステッカーを張っていない福岡市内の小料理屋の経営者は「店に入るのを怖がって、客足が減るのではないか」と危機感を募らせる。ただ、ステッカーを張っていても都合により、対策を十分に取れていない店もある。県内の飲食店の従業員は「料理は小皿だと見栄えが悪くなり、大皿で出している」と明かす。 ステッカーを張っていた福岡市のスナックでは、クラスターが発生し、従業員と客の7人が感染した。スナックの経営者は市の聞き取りに対して、客席を少なくして間隔を広げ、フェースガードやマスクの着用、定期的な換気など対策していたと回答。市の担当者は「感染リスクを減らすためにも、常に対策を取り続けることが大切」と話す。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース