菅義偉官房長官は2日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選に立候補することを表明した。「安倍首相が全身全霊を傾けて進めてきた取り組みをしっかり継承し、さらに前へ進めるために持てる力を全て尽くす覚悟だ」と強調した。総裁選には岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長が立候補を表明しており、三つどもえの戦いが確実となった。 菅氏は会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を挙げ、「国難にあって政治の空白は許されない。全ての国民が安心できる生活を一日も早く取り戻す」と語った。経済や外交、安全保障などに関し、安倍政権の政策を継承する考えを示した。 自民党は2日の臨時総務会で、8日告示、14日投開票とする総裁選日程を正式に決定した。投開票が行われる両院議員総会は党本部のホールで行われてきたが、新型コロナの感染を避けるため、東京都内のホテルで実施する。候補者の遊説や討論会の具体的な日程は今後、党選挙管理委員会で決める。 自民、立憲民主両党の国対委員長は臨時国会を16~18日の会期で開き、16日に新首相の指名選挙を行う日程で合意した。 既に党内7派閥のうち5派閥が菅氏支持に回り、394の国会議員票で優勢となっている。最大派閥の細田派(清和政策研究会、98人)、第2派閥の麻生派(志公会、54人)と竹下派(平成研究会、54人)の3会長は2日、国会内で共同記者会見を開き、「菅氏支援」に向け結束をアピールした。 二階派(志帥会、47人)の幹部は立候補要請書を菅氏に手渡し、石原派(近未来政治研究会、11人)の幹部も支持する方針を直接伝えた。 首相は2日、河村建夫元官房長官と官邸で面会し、首相の出身派閥の細田派が菅氏支持を決めたことについて「細田博之会長のもとでうまくまとめてくれた」と述べた。面会後、河村氏が記者団に明らかにした。 岸田、石破両氏はこの日、党所属議員へのあいさつ回りを行ったほか、テレビ出演などで自らの政策を訴えた。 今後は、都道府県連が3票ずつ持つ地方票(計141票)の行方が注目される。今回の総裁選では党員・党友投票を省略したことに地方や一般党員が反発したことから、党本部は党員の意向調査を各都道府県連に奨励している。関東の1都6県は2日までに、党員らによる予備選挙の実施を決めた。 他の道府県連でも予備選の結果を基に、3票を得票に応じて割り振る「ドント式」や、最多得票者が全て獲得する「総取り方式」などで投票するとみられる。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース