派遣契約の終了後、正社員などとして直接雇用することを前提とした「紹介予定派遣」の仕組みで就労したのに、直接雇用を拒否されたのは不当として、任天堂(京都市)の派遣社員だった保健師2人が8日、同社を相手取り、地位の確認を求める訴訟を京都地裁に起こした。原告側によると、紹介予定派遣の直接雇用をめぐる訴訟は初めて。
紹介予定派遣は2000年、労働者派遣法改正に伴い導入。派遣先と派遣労働者が合意すれば、直接雇用される。派遣先は雇用しない場合、理由を明示する必要がある。厚生労働省によると、18年度に約3万7千人が紹介予定派遣を利用し、約1万9千人が直接雇用された。
訴状によると、保健師2人が派遣されたのは18年4月。産業医のもとで働いたが、同年9月に「円滑な協力体制の構築に至らなかった」ことを理由に直接雇用を拒否された。原告側は雇用契約が成立していたとして、「拒否は解雇にあたる」と主張。また契約が成立していないとしても「直接雇用される合理的期待があったのに、不当な理由で拒否された。保健師2人は産業医からパワハラを受けた」とも訴えている。
任天堂は「弊社の主張を裁判所にお認めいただけるよう主張・立証に努めてまいりたい」としている。(高嶋将之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル