夏の思い出に部屋で美しい「花火」を楽しもう――。新型コロナウイルスの影響で、各地で花火大会が中止になった今年の夏。子どもたちに映像と音で「花火」を楽しんでもらおうというイベントが9日、福井県越前市内の幼稚園で開かれた。園児らは、部屋に現れる色とりどりの「花火」に目を輝かせていた。
コンピューターのプログラミングを使って、地域の課題を楽しく解決することを目指す市民団体「越前市ぷらぷらぼ」が企画した。メンバーは市職員や会社員ら7人で、2014年には、ごみの分別を簡単に調べることができるアプリ「ゴミチェッカー」を開発した。
今回制作した花火のプログラムは、壁に向かってボールを投げると、センサーがボールが当たった場所を感知して、赤や青、黄色などの花火の映像が音とともに現れる。映像はコンピューターグラフィックスで、ボールが壁に接している時間などに応じて花火の大きさが変わる。
市職員が娘のために開発
団体の代表で市職員の仲野弘修(ひろのぶ)さん(39)が、新型コロナの影響で、外で遊ぶのが難しかった小学生の娘たちのために制作した。大好評だったため、より多くの子どもたちに楽しんでもらえればと、園の協力を得て花火大会を開くことにした。
この日は、恩恵(めぐみ)幼稚園(越前市住吉町)の園児ら約40人がクラスごとに花火を楽しんだ。子どもたちは仲野さんの説明を聞いた後、部屋の壁(縦2メートル、横3・6メートル)に向かってボールを投げ、次々と現れる花火に「きれい」「楽しい」などと歓声をあげた。
要望があれば、他の園などでの出前花火大会も検討するという。仲野さんは「子どもたちの笑顔にこちらも元気が出ました。思い出づくりのために活動ができれば」と話した。(八百板一平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル