それぞれの最終楽章・親としてのがん患者(1)
国立がん研究センター中央病院緩和医療科 小嶋リベカさん
東京・築地の国立がん研究センター中央病院で、子育て世代のがん患者とその子どもたちを支援しています。がんになったと告げるか、どのタイミングで、どんな表現で伝えるかに悩む親御さんはとても多いのです。親ががんになった子どもはもちろん様々に動揺します。
この病院に初めて入院する患者さんの4人に1人が18歳未満の子を持っています。全国推計では18歳未満の子を持つがん患者は5万6千人以上で平均年齢は45歳。その子どもは約8万7千人います。平均年齢は11・2歳で多くは小学生以下です。これから7回にわたって、がんになった親が子どもとどう接したらいいのか、実例をもとに考えてゆきます。
大腸がんで闘病していた30代の女性Aさんは3歳の娘がいました。根治は難しく、2年ほど通院しながら抗がん剤治療を続けました。がんが大きくなり、抗がん剤が逆に体力を損なうようになったため、痛みなどを緩和するために入院しました。
入院時には「行ってらっしゃい…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル