立憲民主党と国民民主党などが合流し、150人に膨れ上がった新「立憲民主党」が15日、発足した。年内ともいわれる衆院解散・総選挙に向けて挙党体制の構築が課題となるが、新執行部人事には不満が噴出する。立民出身者と国民出身者が競合する選挙区の調整や野党連携もこれからで、枝野幸男代表は内憂外患を抱えたままの船出となる。(千田恒弥) ■人事嘆く若手「新党感ない」 東京タワーを望む都内のホテルで行われた結党大会。序盤から党の将来を“暗示”させるようなシーンがあった。 「このままでもよいという方もいるかもしれないが、『立憲民主党(略称・民主党)』に訂正をお願いしたい」 副代表に就任した玄葉光一郎元外相は苦笑しながら、こう呼びかけた。出席者に配られた新党の綱領に「強い決意を持って民主党を結党します」と書かれていたためだ。単純な誤植とはいえ、合流協議では綱領や党名で立民側と国民側が激しく対立しただけに、会場には白けた雰囲気が漂った。 その後、あいさつに立った枝野氏は「新しいスタートを切ることができた」と興奮気味に語ったが、焦点だった執行部人事に早くも不満が渦巻く。 福山哲郎幹事長をはじめ枝野氏に近い立民出身者が引き続き要職を占め、国民出身のベテラン議員は「われわれに一歩も譲る気がないということだ」と不快感を示す。一方、立民出身の若手も「選挙を前に新党感がない」と嘆く。 ■選挙区調整も、新「国民」連携も… 次期衆院選に向けた態勢も十分ではない。立候補予定者が決まったのは全国289ある選挙区のうち200程度。しかも立民、国民それぞれの出身者同士で競合する選挙区も約10あり、調整に難航すれば火種になる。 合流に参加しない国民議員らが結成した新「国民民主党」との連携も見通せない。支持母体の連合のうち民間労組の一部は新国民支持に回った。参院は新国民との統一会派の解消が決まり、一枚岩になれていない。 新立民の結党大会は自民党総裁選の関係で当初予定の16日から15日に前倒ししたことで仏滅になった。くしくも4年前の仏滅の9月15日、旧民進党は同じホテルで蓮舫氏を新代表に選出。その後、同党は支持率低迷にあえぎ、1年後の平成29年の衆院選を前に分裂した。 こうした因縁を断ち切るかのように枝野氏は記者会見でこう宣言した。 「1年以内にある衆院選で政権選択していただけるような選択肢になるべく、最大限努力したい」
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