■新型コロナの影響で職を失ったベトナム人の駆け込み寺
名古屋市天白区の曹洞宗徳林寺(とくりんじ)、100年前から続く禅寺です。
昭和30年代に学生の下宿用に建てた木造家屋で、今は50人のベトナム人が共同生活しています。
彼らの多くは技能実習生として来日。
日本の会社や工場で働いていましたが、新型コロナウイルスの影響で、仕事を失い、居場所がなくなりました。
ベトナムでは海外からの入国を制限していて、ベトナム行きの飛行機は月に数便に減少。
4月以降、最大で1万5000人が足止めされました。
■家賃も食事も無料でも「施されたら施し返す」ベトナム流で恩返し
徳林寺の住職、高岡秀暢さんは以前、ベトナムから僧侶や留学生を預かっていた縁で、今回、帰れなくなった人たちを受け入れることにしました。
三度の食事は自炊ですが、家賃も食費もタダ。
支援者からの寄付で、まかなわれています。
朝6時起床で、夜9時に就寝。
食事の支度以外は、何をしても自由です。
スマホで動画を見たり、ゲームをしたり…。
体を鍛えたり、時にはカラオケも。
とはいえ、勤勉で真面目なのがベトナム人の誇り。
畑を耕して、みんなで食べる野菜を育てたり、工具を手に、お寺のために設備を作ったり。施されたら、施し返す、ベトナム流の恩返しです。
お寺の本堂に続くスロープも、滞在しているベトナム人が作ってくれました。
この日のランチ。
メニューは根菜のサラダに、玉子焼きなど。
お寺の宗派の決まりで、肉、魚、お酒は禁止です。
タムさん:
「お寺だからお肉は食べない、みんな食べない」
■帰りたいのに帰れないベトナム人たち…不安な心は「座禅」で整える
技能実習生として日本へ来たタムさんは3年間、香川県の縫製工場で洋服を作っていました。
タムさんの一家は、母親が1人で子供3人を養っていて、大変な生活だったといいます。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース