ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月5日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。日本学術会議が菅総理に、推薦した会員候補の6人を任命しなかったことに対する理由説明の要望書を提出するというニュースについて解説した。
日本学術会議が総理に要望書を提出
日本の科学者でつくる、日本学術会議は10月3日、会員の候補として推薦した科学者のうち、菅総理が6人を任命しなかったことを受け、その理由の説明とともに、6人の任命を求める要望書を菅総理に宛てて提出することを決めた。
日本学術会議とはどんな組織なのか
新行市佳アナウンサー)日本学術会議は日本の科学者を代表する機関で、今月(10月)1日付けで就任する会員として、学術会議が105人の候補を推薦するリストを提出しましたが、菅総理はこのうち6人を任命しなかったということです。日本学術会議というのはどのような組織なのでしょうか? 須田)政府系の機関で、人文・社会科学、自然科学全分野の科学者たちを代表する会員を任命して、政府に対して科学者の立場から提言を行うという、かなり権威の高い機関です。独立性が高い組織ですので、組織に対して政府から圧力をかけるということはしてはいけないということになっています。 新行)なるほど。
公式声明が一部の幹事だけで決められている
須田)今回の1件は、憲法で保障された「学問の自由」を犯すことになるのではないかという批判が出ています。しかし、本当にそうなのかと、私は強い疑問を持っています。学術会議は、いろいろな物事に対して公式声明を出します。しかし、その声明は、総会を通さずに、声明案検討委員会という幹事会だけで検討されているのです。一部の幹事だけで決議して、その決議の内容もブラックボックスになっていて、よくわかりません。それが、声明として出され、日本を代表する科学者の意見だと扱われて、マスコミはその通り報道します。 新行)総意であるとされるわけですね。 須田)決められた公式声明に反対している会員もかなりいます。例えば、「日本の科学者は軍事技術の研究をしない」というのがあります。これに対して筑波大学の学長で、国立大学協会の会長でもある永田さんというウイルス研究の大家の方がいらっしゃるのですが、この人はそれに対して批判的で「自衛のためにする研究はどの省庁であれ、正しいと思う。防衛省の研究は引き受けないということになると、おかしなことになる」と明言しています。なぜかと言うと、デュアルユース、つまり、民生と軍事の線引きが難しい分野がたくさんあるからです。この先生の専門であるウイルス研究もそうです。生物化学兵器にも使えるし、ワクチンの研究にも使える。そういう批判に耳を傾けるべきだと思います。それをやらないという、ブラックボックス化された日本学術会議を検証するという点でも、今回の動きは注目を集めて来ると思います。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース