行政書士事務所を舞台にした漫画「カバチ!!!」を週刊誌「モーニング」に連載している漫画家東風(こち)孝広さん(48)が、大阪・ミナミの酒場などで似顔絵を描いている。5年前から1千人を目標にして現在は800人まで到達。表現の幅が広がる収穫もあるという。
大阪メトロなんば駅近くに漫画制作事務所を置く東風さん。仕事を終え、近所の行きつけの居酒屋やバーを夜遅く訪れ、食事をしながら杯を傾ける。居合わせた客に声をかけ、了解を得ると、持参した筆ペンとスケッチ帳を取り出して似顔絵を描く。
1人5分ほど。もちろん無料。出来上がった作品を相手に渡すと、大抵は喜ばれる。「絵を描くことがとにかく好き。仕事でなくても苦にならない」
東風さんは広島県呉市出身。1990年代に人気を集めた漫画「ナニワ金融道」の青木雄二さんのアシスタントとして96年に大阪で採用された。最後の弟子といわれ、画風も似ている。「ナニワ金融道」(海事編)の原案を担当していた、同郷でいとこの行政書士田島隆さん(52)が原作者の「カバチタレ!」で99年にデビューした。
「カバチ」は広島弁で文句や屁(へ)理屈の意味で、法律を駆使してトラブルを切り抜ける行政書士らを描いてきた。「カバチタレ!」「特上カバチ!!」「カバチ!!!」の3シリーズで単行本が計82冊、発行部数は800万部を超えるヒット作となっている。
似顔絵は、知り合いのお笑い芸…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル