「カゴダッシュ」と呼ばれる手口で万引きを繰り返したとして、神奈川県警が先月、横浜市内の17~18歳の少年3人を窃盗容疑で書類送検した。うち1人は「新型コロナで仕事がなくなり、食べるものがなくてやった」と語ったという。捜査の過程で、万引きで食いつなぐ少年たちの生活の一端も見えてきた。
飲み屋街の野毛などを管轄区域に抱える横浜市中区の伊勢佐木署。今年5月ごろから管内のコンビニで万引きの被害が相次いだため、捜査を始めた。
各店は、共通の手口で品物を奪われていた。複数人で店舗に行き、一部はコンビニの買い物カゴに食料品などを大量に詰め込み、残りのメンバーは前もって出入り口の自動ドアを開けておく。こうした役割分担で素早く逃走する「カゴダッシュ」という手口だ。
食料品以外に、たばこも多数、次のような手口で盗まれていた。店員にいくつかの銘柄を伝えてカウンターに置かせ、その後、少し離れたところにある銘柄も伝える。店員が背を向けて商品を取ろうとする隙に、カウンター上のたばこを取って逃げるというものだ。後に、少年たちが「カートンダッシュ」と呼んでいたことがわかった。
7月に入り、15歳の少年が髪染めを盗んだ疑いで逮捕された。捜査を進めるなかで、横浜市内の住宅街にあるアパートの一室に出入りしていたことが判明。張り込みの結果、万引きの被害に遭ったコンビニの防犯カメラに写っていた少年に似た人物の出入りが確認された。
署がこの部屋に家宅捜索に入ったのは8月。複数の少年たちがおり、その場で補導された。室内には、万引きの際に持って来たとみられる買い物カゴが十数個。部屋に出入りする少年らの衣服などがカゴに入っていた。室内はゴミもなく片付いていたという。
「仲間は売らねぇ!」と語気を強める少年
一般的に万引きの捜査は、食べ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル