気象庁気象研究所は20日、地球温暖化が豪雨の発生確率に与える影響について分析し、2018年の西日本豪雨クラスのものは、温暖化していない場合と比べ発生確率が3・3倍になるとする研究結果を公表した。17年の九州北部豪雨クラスだと確率は1・5倍になる。同研究所によると、局地的な大雨の発生確率に対する温暖化の影響を解明したのは初という。 1981~2010年の30年間の気象データを対象に、西日本豪雨の被害を受けた瀬戸内地域と九州西部の2カ所で、50年に1度の大雨が発生する確率を調査。工業分野からの温室効果ガスの排出がある場合と、温暖化の影響がなかったと仮定した場合とで大雨の発生確率を比べた。 瀬戸内地域では、温暖化していない場合の発生確率が1・5%。温暖化している場合は4・8%に上昇した。九州西部でも、温暖化していなかった場合の豪雨の発生確率が1・9%に対し、温暖化している場合は2・8%に上昇した。 同研究所は豪雨の発生要因として、気圧配置や大量の水蒸気流入などを挙げ、これらの形成に「地球温暖化が影響を及ぼしている可能性がある」との見方を示す。温暖化が進む中、大規模な被害をもたらす豪雨の発生に警戒するよう改めて呼び掛けた。論文は9月発行の学術誌に掲載された。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース