千葉県四街道市で学童保育の指導員をしていた秋山竜一さん(33)が、市の放課後児童クラブ(学童保育)事業を受託する市社会福祉協議会から3月末で雇い止めされたのは無効だとして、地位確認や未払い賃金の支払いなどを求める訴訟を2日、千葉地裁に起こした。
秋山さんはこの日、会見し「子どもの命を預かる仕事なのに多くが有期雇用で不安定。改善を求めたら雇い止めに遭う。そんな学童保育の職場の在り方も裁判で問いたい」と話した。
訴状などによると、秋山さんは市内学童の指導員として、1年間の雇用契約を2013年度から繰り返してきた。社協から今年3月中旬に「異動はなく、新年度の準備を進めて構わない」と伝えられていた。しかし、契約満了の1日前の3月30日、異動を内示された。秋山さんが異動の撤回を求め、社協は今年度の契約を結ばなかった。秋山さんは契約の無期転換ができる5年を超え契約してきたなどとし、契約更新に合理的な理由がある一方、雇い止めに客観的理由がないと主張する。
秋山さんが勤めていた学童では20年度に入所児童が大幅に定員超過することが今年1月に判明。秋山さんはその後、市内学童の指導員会の会長などの立場で、保護者らと施設整備や指導員の就労環境や処遇の改善などを市や社協に訴えていた。雇い止めや、信用性が疑われる情報をもとに調べられ精神的苦痛を受けたとして、330万円の損害賠償も求めている。
社協は「提訴の詳細な内容がわからないので、コメントは差し控える」としている。(上田雅文)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル