自動販売機はさまざまな商品を扱っているが、今、岡山市内の食肉卸会社 金川食品株式会社の事務所に“手動の販売機”が設置され、話題となっているのだ。
【画像】ホルモン肉はこんな状態で出てくる 手動の販売機は、お金(硬貨)の投入口と大きな商品取り出し口が付いた、郵便受けに似た形の箱。 そして販売しているのは国産牛冷凍ホルモン。小腸・大腸・上ミノ・心臓・赤センマイ・ミノサンド・センマイ・たれ漬け盲腸で、この手動販売機は「ホルモン販売機」と名付けられている。 投入口にお金を入れると、販売機の裏側にいる従業員が対応し、8種類の中からランダムで1つを、商品取り出し口から手渡ししてくれるという。 ホルモンは冷凍で真空パックしたものを梱包材で包んであり、ビニール袋に入れた状態で出てくる。1人前で110~130グラムほど入っており、価格は300円。 何が出てくるのか分からないというワクワク感を味わえることに加え、最近では新型コロナウイルスの影響もあり、対面での購入を避ける人もいる。このような面でも、うれしいかもしれない。 しかし、なぜ販売機を手作りしたのか? 実際の売れ行きは? 金川食品・ホルモン販売機担当の金川昌成さんに話を聞いてみた。
ホルモン需要上げるため
ーーなぜ「ホルモン販売機」を設置したの? 設置は2019年2月からです。先代から44年、ホルモンを中心に焼肉材料を卸販売していますが、ここ10年ほどホルモン(特に小腸)の需要が落ちてきていました。ホルモンは決まった数を仕入れないといけない契約なので、売れなければ冷凍庫に在庫が溜まっていってしまいます。 なんとか小腸を売る方法はないかと考え、中古の自販機も考えましたが、高価で場所も電気代もかかるという事で自分で自作することにしました。 8種類から買い手が選択すると売れ方に偏りが出るかと思い、ランダム式を思いつき、結果、販売機の構造もシンプルに。しかも小腸中心に売り出すことができると確信しました。 ーー販売されているホルモンについて教えて ホルモンは国産牛(和牛・交雑種)で、香川県の屠場に週1回仕入れに行っています。8種類の理由は、ホルモン1頭分から取れる部位がこれぐらいなので、こんなものかなと。5種類では少ないし、10種類じゃ多すぎるかなと。 ーー金川食品だからこそのホルモンの特徴は? 金川食品のホルモンの特徴は、屠場から出て来たホルモンを、その日か次の日には真空パックして急速冷凍しているので、とにかく新鮮です。ホルモンは鮮度が命。冷蔵庫で置いておくよりも、すぐに冷凍して食べる前に解凍した方が絶対に美味しいです。 カットした1口分の1個1個を丁寧に確認しているので膨大な時間がかかり、徹夜で作業しても販売機60回分作るのが体力も時間的にも限界です。社長である兄から「そこまでしなくても、誰も分からん」と効率上げて増産したほうがいいと言われますが、そこは譲らず、適当にして訳の分からないモノを売るぐらいなら売り切れにした方がいいと思っています。 まあ、苦労の割には利益はほとんど出ないですけど…。とにかく毎回限界まで魂込めて作っている自信作です!
Source : 国内 – Yahoo!ニュース