再稼働は必要-。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の同意を表明した村井嘉浩知事は11日、立地自治体の首長とともに臨んだ記者会見で、原発の重要性を強調した。東日本大震災から9年8カ月を迎えた中での大きな節目に、村井知事は「(東京電力福島第1原発事故を)教訓として、高みを目指さなければならない」と訴えた。 村井知事はこの日、同県石巻市内で女川町の須田善明町長、石巻市の亀山紘市長との3者会談に臨み、約30分間にわたって会談した。会談後、緊張した面持ちで記者会見に臨んだ。 村井知事はこれまで、立地自治体である女川町、石巻市の両議会や県議会で再稼働に同意した際にも、再稼働に対する具体的な明言は避けてきた。 しかし、この日の会見で村井知事は「事故があった場合のリスク管理は重要だが、再稼働は必要と考える」と言い切った。その上で「今後、いつまでも原油や天然ガスが日本に届くのかという不安もある。100年、200年先を考えなければならない。再生可能エネルギーの技術力が高まるまでは、(原発は)必要だ」と説明した。 ただ、県内の一部の首長などから再稼働に対して反対や慎重な意見があることなども踏まえ、「安全性への不安から慎重な意見もあり、苦渋の決断だった。訓練などで避難計画の実効性の向上を図っていく」と苦しい胸の内ものぞかせた。 一方、県に対して避難道路などの整備を要望していた女川町の須田町長は「防災をハード・ソフト両面で着実に実行すると知事に約束いただいた」と同意の理由を説明。亀山市長は「(再稼働を容認した)石巻市議会の意思を尊重した」と話した。
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