神戸市が港湾地域の国有地約2200平方メートルを、市が管理する土地と思い込み、約15年間にわたり民間企業に貸して賃料を取っていたことが分かった。会計検査院が10日に公表した決算検査報告で指摘した。市は国にこれまでの使用料として約4千万円を支払ったという。
会計検査院によると、市は元々この国有地について財務省と賃貸借契約を結び、民間の倉庫会社にまた貸ししていた。阪神・淡路大震災で倉庫などが被災して撤去されてから、財務省はこの土地を「未利用地」として管理していた。
ところが市は2005年8月からこの土地を別の民間企業に貸しており、現在も輸入中古車の一時的な保管場所として使われていることが会計検査院の調査で発覚。会計検査院は、国有地を管理する財務省が現地を確認するなど適切な管理を怠ったのが原因だと指摘した。
市によると、震災後この土地の周りで埋め立て工事やトンネル工事が相次ぎ、国有地だという認識が薄れていったとみられる。市は今年4月、財務省と土地の賃貸借契約をあらためて結び、過去の分の使用料を支払ったという。
財務省の近畿財務局神戸財務事務所は「今後は神戸市と情報共有を緊密に図るなど、適正な管理に努める」とコメントした。(遠藤美波)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル