埼玉県上尾市戸崎の障害者支援施設「コスモス・アース」(現・生活介護とさき)で送迎車に取り残された知的障害のある同市の男性=当時(19)=が約6時間放置され、熱中症で死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元担当職員の寺下晋平被告(39)、元運転手の高橋三男被告(75)の判決公判が16日、さいたま地裁で開かれた。石井俊和裁判長はそれぞれ禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年)の判決を言い渡した。
判決理由で石井裁判長は、両被告らは男性が自ら危険を判断して自力で降車することはできないと認識していた上で、「安全を確保すべき注意義務を怠った」と指摘。「極めて高温な自動車内に長時間放置された苦痛は計り知れない」と断じた。
判決によると、高橋被告は平成29年7月13日、男性が自力で降車できないと知りながら、後部座席で寝ていた男性の誘導を怠り、車内に残したまま施錠して車を離れた。寺下被告は同日、男性が所在不明となっていたのに、遅刻や欠席と考えて保護者に連絡を取らなかった。2人の過失が重なり、男性は車内に約6時間放置され、熱中症で死亡したとしている。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース