流通大手の旧ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とディスカウント大手の旧ドンキホーテHDとの間で行われたTOB(株式公開買い付け)をめぐり、ドンキHDの前社長(57)が、TOBの公表前に知人らに自社株購入を不正に勧めたとされる事件で、東京地検特捜部が近く、金融商品取引法違反(取引推奨)の疑いで前社長を強制捜査する方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。 関係者によると、知人は実際にドンキ株を購入し、その後に売却して多額の利益を得ていたという。特捜部はすでに前社長や知人を任意で事情聴取しているが、前社長は容疑を否認しているとみられる。 事件をめぐっては、証券取引等監視委員会が昨年11月と今年8月、関係先を強制調査。前社長の知人の株トレーダーらにも任意で事情を聴くなどし、検察当局への告発を視野に調査していた。 旧ユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)と旧ドンキホーテHD(現パン・パシフィック・インターナショナルHD)の両社は、平成29年に資本・業務提携で合意した。30年10月11日、ユニー・ファミマHDがTOBを実施してドンキHD株を取得してグループ会社化するなどと発表。公表前に5千円台だったドンキ株は6千円台後半まで上昇していた。 取引推奨の規定は26年4月から施行された改正金商法で導入された。会社関係者がインサイダー取引の対象となる未公表情報を知り、他人に利益を得させる目的で株取引を勧めることを禁じている。情報を知らないまま勧めを受けて購入した側は処罰対象にはならない。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース