戦国時代に徳川軍を2度も退けた真田氏の活躍をテーマにしたボードゲーム「ROKUMON」(ロクモン)が昨秋、発売された。考案したのは、2004年から長野県松本市に住むイギリス出身の英語講師、チャールズ・ワードさん(41)=通称チャーリーさん。少ない兵力で大軍に打ち勝った上田城の戦いや、真田幸村が名をはせた大坂冬・夏の陣など、六つのエピソードで展開する対戦型ゲームだ。
チャーリーさんはロンドンで生まれ、5~12歳をスペインで過ごした。大学で写真などを学び、写真展や美術展を開催。インターネットで知った憲法9条が掲げる戦争放棄に感動して日本行きを決意し、松本市で英語を教える仕事を見つけて信州暮らしを始めた。
もっと日本を知り、日本語もうまくなりたいと、06年から1年間は自転車で全国を旅した。農作業を手伝いながら食事や宿泊場所を提供してもらったり、テントで野宿したり。そうした旅日記をまとめた本「チャーリーです 地球人です」を08年に出版している。
英語講師として教えるのは主に子どもたち。教える際にロールプレー式を活用したことでボードゲームに魅せられ、ゲーム作りを始めた。その4作目となるのが「ROKUMON」だ。
8歳以上から遊べる1~2人用。赤い駒4枚(真田)と黒い駒5枚(徳川)に分かれ、六文銭をイメージしたコイン型ボード上で戦う。同じ駒を三つ並べるか、1カ所に3枚重ねれば勝ちとなる。駒が1枚少ない真田側が常に先手となるのがルールで、一つのエピソード(場面)は5~10分ほどで決着がつく。
エピソードを進めていくうちに、真田幸村、真田昌幸、徳川家康、本多忠勝、伊達政宗といったキャラクターごとの強弱で、ボードの陣取りが決まる展開になる。「地元のヒーローだから、みんなに興味を持ってもらえるし、シンプルで誰でも遊べる。今まで作った中でベストのゲーム」と、チャーリーさんは上手な日本語で話す。
製品版(2970円)は厚紙製でコンパクトな箱に入り、旅先にも持って行けそうなサイズ。説明文は歴史の紹介を含めて日本語と英語で表記され、近くスペイン語訳も出すという。チャーリーさんのサイト(http://www.ex1st.com/)で無料版もダウンロードできる。(羽場正浩)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル