大分市は10日、佐藤樹一郎市長らのメッセージを動画で配信する「デジタル成人式」を実施した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために「密」になるのを避けようと、会場を使っての記念式典は開かなかった。だが、例年式典がある会場前には新成人らが集まり、一時的に「密」の状態になった。
この日正午、大分市中心部の商店街に設置されたモニターから佐藤市長のあいさつの動画が流れ始めた。足を止めて見入る若者は、記者の周囲にはいなかった。その直前、振り袖姿で商店街を歩いていた江藤舞さん(20)は「友達に会いたかったので、式典がないのはとても残念。コロナの影響で大変ですが、いまの目標は就職先を見つけることです」と話した。
大分市は例年、JR大分駅近くのホールで式典を開いている。この日、ホール前の広場には新成人らが大勢集まり、記念撮影をしたり、久々の再会を楽しんだりしていた。多くの新成人が「待ち合わせ場所として分かりやすいので、ここに来ました」と話していた。
大分県私学振興・青少年課によると、県内の自治体では大分市や佐伯市、中津市など5市がこの日、成人式を動画で配信した。一方、多くの自治体が式典の延期を決めているという。(倉富竜太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル