2020年に日本を訪れた外国人は411万5900人で、前年比87・1%減だった。新型コロナウイルスを受けた世界的な移動の制限で、訪日外国人は2月から激減し始め、3月以降はほとんどいなくなったためだ。東日本大震災があった11年(621万人)を大幅に下回り、1998年(410万人)以来、22年ぶりの低水準となった。
観光庁が20日発表した。日本への入国制限が大幅に強化された3月の訪日客数は前年同月比93%減、4~12月は97~99%減だった。政府は当初、東京五輪・パラリンピック開催を見越し、20年の目標を4千万人としていたが、目標の約10分の1にとどまった。
ビザ取得の要件緩和などの効果もあり、訪日客はここ数年で急増してきた。19年は3188万人と7年連続で過去最高を更新。市場規模も4・8兆円と、国内旅行市場の5分の1ほどまでに成長したが、新型コロナによって急ブレーキがかかった。
一時は入国制限を緩和し、中韓を含む11カ国・地域でビジネス関係者などの往来を認めていたが、変異種の拡大を受け、現在は外国人の新規入国は全面的に止めている。政府はコロナ前の「2030年に訪日客6千万人」という目標を維持しているが、いつ回復するかは見通せない。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル