ルーマニア出身のソプラノ歌手テオドラ・ゲオルギューさん(41)が、25年ぶりに東京都武蔵野市を訪れた。16歳の時に少女合唱団の一員として来日。フルートを学んでいたが、同市などで歌ったことで、歌にひかれていったという。「やがてそれが仕事になり、今回、歌手として呼んでもらって、とても光栄。感動的な再訪になった」と話した。
ゲオルギューさんは1994年、同市など7市が合同で実施した「ルーマニア・ブラショフ少女合唱団招聘(しょうへい)」で来日し、各市でのコンサートで歌った。
今回の来日では、19日に松下玲子・武蔵野市長を訪問。当時の報告書をもらい、掲載された懐かしい写真の数々に見入った。
取材に対してゲオルギューさんは「25年前、何もかもすばらしかったけれど、とりわけ、ホストファミリーの家に泊めてもらい日本の暮らしを知ったことと、鎌倉市を訪ねたことがすばらしかった」と話した。「日本のお布団、お風呂、何もかもびっくりした。私と同世代の娘さんがいて、すごく親切にしてもらったことを覚えている」
ホストファミリーは「石橋さん」。再会をかなえたいと武蔵野市が探したが、連絡先はわかっていない。
18日には市立第三小学校で5、6年生と交流。25年前に民族衣装を来て歌ったステージ写真を映して「初めての飛行機、初めての日本で、ルーマニアに無いような大きなホールで8回くらいコンサートをした」と話した。ルーマニアの刺繡(ししゅう)やお城も紹介し、「私が生まれ育ったブラショフにはたくさんの森がある。いま私は違う国に住んでいて、帰りたくなったときは、あの森を思う。ブラショフは私のふるさと」と話して、日本語で「故郷(ふるさと)」を歌った。
週末にリサイタルと歓迎交流会があり、22日に日本を発つ予定だ。(河原理子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル