大学入学共通テストの第2日程が30日、始まった。コロナ下の休校で授業が遅れた現役生718人が出願したほか、第1日程(16、17日)の再試験や、病気などで第1を受けられなかった人の追試験として約1800人が対象となった。30日は地理歴史・公民、国語、外国語、31日は理科と数学の試験がある。
第1日程には約53万人が出願したが、第2日程は日程が各大学の個別試験と近接しており、出願者は少なかった。これまで追試験の会場は全国2カ所だったが、本試験の第2日程は47都道府県に設けられた。
大学入試センター試験に代わる共通テストは今回が初実施。本試験が二つの日程で行われるのも、センター試験とその前身の共通1次試験を含めて初めて。
東京都文京区の東京大で受験した都内の私立高校3年の男子生徒(18)は、先月中旬に新型コロナに感染したため第2日程で受験することを選んだ。同じ高校に通う友人が感染し、自身も体調を崩した。味が感じづらくなり、頭痛や聴覚障害もあった。PCR検査で陽性と判明し、2週間ほど自宅で療養中は体がだるく、その間は勉強に集中できなかったという。
志望する横浜国立大は昨夏、個別試験を行わずに共通テストの結果などで合否判定をすると表明していた。大きな合否のポイントとなる共通テストに万全の態勢で臨むため、第2日程の受験を決めた。「体調を崩してしまったが、個別試験のことを考えなくてよかったのが不幸中の幸いだった」という。
第1日程の問題を解いてみたところ、出題の方法はセンター試験と比べてだいぶ変わったと感じたが、手応えはあったという。「コロナに感染してしまったのは仕方ない。全力でやるのみです」と気を引き締めた。
大阪府吹田市の大阪大で受験する大阪市内の私立高3年の男子生徒は、今月上旬まで東京であった全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)に府代表として出場。「プラス2週間の勉強時間を確保したい」と第2日程を選んだ。受験予定者の少なさに「正直びっくりした」が、自分にとっては「有意義に準備ができて、必要な時間だった」。第1志望は筑波大体育専門学群。選手を支えるアナリストになりたいという。「コロナで練習も勉強も制限があって大変だったけど、受験の機会を例年より多くつくってもらえて助かった」と話した。(鎌田悠、阿部朋美、花房吾早子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル