8日午前11時ごろ、海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が、高知県沖で民間船と衝突した。潜水艦の乗組員3人が打撲などの軽傷。関係者によると、民間船は香港籍の貨物船で、接触に気づかなかったとみられ、けが人の情報はないという。通報を受けた海上保安庁が、詳しい状況を調べている。国の運輸安全委員会も8日、船舶事故として調査を始めた。
海上幕僚監部などによると、発生場所は高知県土佐清水市にある足摺岬の南東約50キロ。「そうりゅう」には約65人が乗艦して訓練中で、潜望鏡やアンテナが海面に出る「潜望鏡深度」まで浮上するところだった。民間船を確認したが、よけきれなかったという。
海上自衛隊のホームページによると、そうりゅうは全長84メートル、幅9・1メートル、深さ10・3メートル、速力は約20ノット(時速37キロ)。広島県呉市の海自第1潜水隊群の所属で、2009年に就役した。今回の事故で潜望鏡やアンテナが壊れたが、自力で航行可能で、海保の指示に従って高知港(高知県)に入港する予定という。
通常、潜水艦が浮上する際は、海面に船舶がいないかどうかを潜望鏡やソナーで事前に確認する。海保や自衛隊が原因を確認中だが、海自幹部は「船から潜水艦は見えず、絶対にあってはならない事故。ソナーなどによる見張りにミスがあったのではないか」と話した。
一方、衝突した貨物船は、海上保安庁関係者によると香港船籍の「オーシャン アルテミス」で、鉄鉱石を積んでいた。乗組員にけが人はなかったという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル