首都圏をのぞく6府県でコロナ緊急事態宣言が解除される。とはいえ、時短営業に協力してきた飲食店は、喜び切れない。医療関係者からは、気の緩みが再拡大につながらないかと心配する声があがる。
例年ならお花見シーズンは観光客でにぎわう京都・祇園。鶏料理専門店「うずら家」店主の大島将吾さん(44)は「(通常営業まで)もうそろそろ、という気持ち」と期待を寄せた。
コロナ禍で客足は例年の半分以下に減った。宣言が解除されれば、営業時間をこれまでよりも1時間延ばして午後9時までにする予定だ。「お客さんは、午後7時くらいになると時計を見てそわそわしだしていた。もう少しゆっくりしてもらえる」と喜ぶ。
一方、大阪府豊中市のうどん店「山善(やまぜん)」を営む山善明さん(45)は「以前のようにお客さんが戻るか」と不安を口にする。宣言解除で、午後11時までの営業に戻す。それでも、例年なら多い歓送迎会などは減ると予測する。「少しでも活気を取り戻せるよう、コツコツやるしかない」
北九州市小倉北区の「焼とり権兵衛」の店長高木雅史さん(46)も手放しでは喜べない。「結局、繁盛したらだめなんですよ。密になっちゃうんで」。席を間引き、間仕切りをつけ、空気清浄機も購入するなど感染対策には気を使っているが、満席の様子に戸惑った客が入店をやめることもあったという。「いつまでもすっきりしない日が続くのは困るけど、専門家の意見に従うしかないですね」
■医療関係者「対策の緩みが…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル