彼は「田村」、彼女は「石川」。どちらの名字にするか、それをどんな方法で決めるのか――。結婚を決意した都内の26歳カップルは、悩んでいた。
中高時代の同級生で、何でも本音で言い合えるフラットな関係。男だからデートプランを考えるとか、女だから細かいところまで掃除をするとか、そういう「男女の性別役割を押しつけないこと」が以前から2人の明確なルールだ。
日本では結婚するとき、夫または妻の氏を選び、同じ名字を名乗らなければならない。「どちらかがたとえば『道明寺』とか誰もがうらやむようなかっこいい名字だったら話は早かったんですけど。どちらもありふれた名字で、2人ともできれば自分の名字を変えたくなかった」
さて、どう決めたらいいのか。
1971年2月14日の朝日新聞朝刊の連載「男と女」にも、同じように悩み、クジ引きで決めたという京都在住の30歳の夫婦が登場。勝った妻のこんな言葉が紹介されている。
ジェンダーをめぐる状況は何が変わり、何が変わらずにきたのでしょうか。50年前の新聞と、今とを行き来しながら考える連載です。
「男女平等のようでいて、どっ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル