岩手競馬で2018~19年に複数の競走馬から禁止薬物が検出されたのは、敷きわらに自然発生したものを馬が食べたことが原因だった可能性が高いことが岩手県警の調べでわかった。何者かが投与した疑いがあるとして、県警が競馬法違反(禁止薬物使用)で調べていた。
検出された禁止薬物は、筋肉増強剤「ボルデノン」。18年7月~19年11月、岩手競馬に出走した馬や出走を予定していた馬計12頭から相次いで見つかった。
捜査関係者によると、県警が捜査を進めた結果、厩舎(きゅうしゃ)で使う敷きわらに、気温や湿度など一定の条件がそろうとボルデノンが自然発生する事例があることを把握。県内に届く前の出荷段階のわらにボルデノンが発生していたケースもあった。敷きわらは飼料ではないが、馬が食べてしまうこともあるという。
県警は19年12月、厩舎の敷きわらをすべて木製チップに代えるよう競馬組合に要請。それ以降、禁止薬物は検出されていない。
送検の対象は、レースで1~3着に入ったあとに検査で薬物が検出された5頭分。事件発生後に全頭検査で検出された7頭は除かれる。
県警は19日、事件性はないと判断して容疑者不詳のまま盛岡地検に書類送検した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル