新型コロナウイルスの感染拡大を受けた、2度目の緊急事態宣言がすべて解除されてから初めての週末を迎えた27日、東日本は好天に恵まれた。東京都内の公園は、満開の桜を見ようと多くの人でにぎわった。
ただ、主な桜の名所では感染防止のため宴会は禁止。上野恩賜(おんし)公園(台東区)ではシートを敷いて飲食する人の姿はなく、立ち止まらない「コロナ禍の花見」を楽しんでいた。
都は今年、上野公園や井の頭恩賜公園(三鷹市、武蔵野市)、代々木公園(渋谷区)で一部区域の立ち入りを制限。催しや縁日を開かず、花見客にも宴会をしないよう呼びかけている。
27日午後、上野公園では桜の木の周辺がネットで囲まれ、地面には「宴席禁止」の注意書きが貼られていた。最も人が集まる園内の「桜通り」は片側一方通行に規制され、訪れた人たちは歩きながら桜を見たり写真を撮ったりしていた。
東京都足立区の会社員久野壮平さん(62)は、「おととしまでは花見をしながら同窓会が恒例だったけれど、仕方ないから桜だけでも見に来たよ」。同窓会は昨年に続き、ホテルのレストランで開くという。「来年こそ、花見でやれるといいけどね」
公園近くで缶ビールを片手に友人と話していた江東区の大学3年生高橋光太郎さん(21)は、「少人数で短時間の花見ならと思ったが、周りの人も飲んでないし盛り上がらなかった」。上野駅前の立ち飲み屋で飲み直すといい、「宣言も明けたし、感染に気をつけ、みんなで楽しく飲むような休日も過ごしたい」と話した。(杉浦達朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル