北海道の大雪山系の登山道整備で使う資材を、スノーモービルで運ぶ試みが行われた。まだ残雪がある3月のうちに、重い資材を山の上まで運んでしまおうという狙いだ。
大雪山系では登山道の荒廃が進んでおり、整備用木材の運搬方法が課題の一つになっている。人力では運べる量が限られ、荒廃のスピードに追いつかない。
ヘリコプターで運ぶには費用がかかりすぎる。そこで関係者の間で浮上したのが、春にスノーモービルを使って運搬する方法だ。
3月下旬の4日間で、旭岳北側にある当麻乗越(のっこし)(標高1690メートル)の直下に木材を運んだ。長さ180センチの角材をそりに8~9本積み、スノーモービルで引き上げた。
ふもとからなだらかなコースを選び、約23キロの道のりを約3時間かけて運搬した。4日間で約1トンを運んだという。
環境省の事業で、登山道整備をする会社「北海道山岳整備」(北海道当麻町)が運搬にあたった。スノーモービルの乗り入れが規制されている地域のため、入山の手続きをしたうえで実施した。
環境省大雪山国立公園管理事務所は「スノーモービルの利用は、登山道整備の新たな可能性として期待したい」と言う。同社の岡崎哲三代表も「資材運搬が大幅に省力化できる」と手応えを感じる。運搬した木材は、今夏の整備に使われる予定という。(本田大次郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル