政府が導入を決めている最新鋭ステルス戦闘機F35Bについて、九州防衛局は5日、宮崎県庁を訪れ、同県新富町の航空自衛隊新田原基地に配備することを検討していると説明した。
九州防衛局や県によると、F35BはF15戦闘機の後継として18機が導入される予定で、配備先として福岡県築上町の築城基地、沖縄県の那覇基地などが候補地に挙がっている。九州防衛局の玉栄一邦次長は配備先と機数はまだ検討中とした上で「新田原基地は有力な候補地」と話し、今年度中に決定すると説明した。2024年の運用開始を目指しているという。
F35Bは米ロッキード・マーチン社製で、航空自衛隊が導入済みのF35Aと異なり、短距離で離陸でき、垂直着陸できるのが特徴だ。海上自衛隊の護衛艦「かが」などでの運用も想定されている。
2018年に安倍政権が閣議決定した「防衛計画の大綱(防衛大綱)」と「中期防衛力整備計画(中期防)」では、海上自衛隊のいずも型護衛艦を改修し、事実上「空母化」することを決定。運用を想定している戦闘機として、F35Bの導入も決めた。20年度の当初予算では、F35Bを6機購入する費用として、793億円を計上した。
F35Bの導入は、沖縄を含む南西海域の防衛力を強化するため。念頭にあるのは海洋進出を強める中国で、防衛省幹部は「長い滑走路を必要としないF35Bは画期的な機体。離島防衛にうってつけだ」と語る。
一方、防衛局の説明を受けた宮崎県の日隈俊郎副知事は「F35Bの配備は住民にとって大きな問題。速やかに地元に情報を伝えてほしい」と語った。また騒音や安全性の問題などについて懸念を示した。(神崎卓征、相原亮)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル