東京五輪の聖火リレーが9日、和歌山県南部の新宮市に入り、関西地方を初めてランナーが走った。新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、沿道では係員が観客に「間隔を空けてください」「マスクをつけて」と再三呼びかけた。
新宮市では、和歌山県出身で1964年東京五輪体操金メダリストの早田卓次さん(80)らがトーチを持って太平洋が見える高台を走った。
ランナーの知人を応援に来た新宮市の木戸地(きどじ)敏子さん(71)は「感染が怖いので、人が集まってきたら離れます。一生に一度の体験と思うので、来てよかった」。走り終えた早田さんは「感染が広がっているのが気になる。コロナ禍に負けずに五輪を成功させたい。安心安全を徹底し、子どもたちに夢を与えるように、みんなが一つになって大会の成功を祈りたい」と話した。
聖火リレーはこの日、串本町や白浜町など紀伊半島の海沿いを進み、和歌山市へ入る予定。11日に奈良県へ引き継ぐ。13、14日に予定されていた大阪府内は感染拡大のため、公道でのリレーが中止され、代替策が吹田市の万博記念公園で実施される予定だ。(直井政夫)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル