新型コロナウイルスの感染再拡大を止められず、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に出された3度目の緊急事態宣言。初日の25日、街の姿は変わったのか。
大阪市浪速区の通天閣かいわいの繁華街「新世界」。ふだんの週末は昼から乾杯する客でにぎわうが、酒類を出す飲食店は休業要請の対象になり、シャッターを下ろす店が目立った。
串カツ店「新世界おやじの串や」は、ノンアルコールビールなどを提供しながら店を開けたが、客はまばら。男性従業員(54)は「いつもは8割以上が酒を飲むお客さんやから、しんどいね。様子を見ながら頑張るしかない」。
床面積が1千平方メートルを超える大型施設も休業要請の対象となり、同市中央区の心斎橋筋商店街では、大丸やパルコの入り口に、食料品店などをのぞき、休業していることを知らせる紙が貼り出された。
ただ、商店街の人通りは、昼に近づくにつれて増えた。よく周辺を散歩するという地元の男性(72)は「土日にしては少ないけど、平日と一緒くらい」。男性が営む飲食店はほぼ休業状態で、「ロックダウン(都市封鎖)でもして一気に人の流れをなくした方がいい。政府は中途半端。余計に経済に打撃を与えている」と不満を語った。
地下街も休業を求められ、大阪市北区の「ホワイティうめだ」は「シャッター街」に。だが、場所によっては通行人は少なくなく、足音が響く。
営業を続ける家電量販店に向かうという大阪市淀川区の自営業の男性(68)は「寂しいし暗いし、いやな雰囲気ですね」。店に忘れ物を取りに来たという焼き鳥店の男性従業員(33)によると、1年前の緊急事態宣言のときは、ほとんど人はいなかった。「今回もみんなおとなしく家にいればいいのに」と話した。(華野優気、甲斐江里子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル