京都大吉田キャンパス(京都市左京区)の周辺に並んでいた名物の立て看板、通称「タテカン」。半世紀以上の歴史を持つが、「屋外広告物」に当たるとした市の行政指導を理由に撤去されて3年になる。京大の湊長博(みなとながひろ)総長にタテカンへの考えを聞いた。(永井啓子)
――京大の自由な校風を表す一つにタテカン文化があったとの声があります。
タテカンがなくなって、どんな自由がなくなったか。誰かが何かを言いたい時にそれを公表する、世に出すのは自由です。
この時代、SNSもあるし、(タテカンを歩道に向けて立てられる)しかるべきスペースも作りました。そういう状況のなかで、ああいうタテカンに自由のシンボルとしての価値があると言われても、のめません。
なぜなら、何度か非常に危ない場面を見ているからです。ひもでとりつけた大きなタテカンが、風の強い日にバーンと倒れて、お年寄りが転びそうになったこともあります。
――タテカンに関する規程を見直す考えはありますか。
タテカンが、情報や主張を発…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル