医療費や税金の還付があるとうそをつき、ATMから送金させる「還付金詐欺」を防ぐため、東京都内に本店を置く城南信用金庫と多摩信用金庫が新たな対策を始めた。手口を逆手に取り、新たな「常識」を作り出すことで被害を減らそうという取り組みだ。
還付金詐欺は特殊詐欺の類型の一つ。自治体の職員などを装った犯行グループが被害者に「税金の過払いがある。そちらに送金したい」などと電話をかけ、金融機関のATMに誘導。ATMに着くと、携帯を通じて被害者に操作を指示し、指定の口座に送金させるという手口が目立つ。被害者の多くはお年寄りという。
被害を防ぐため、警察は防犯イベントを開いたり、ウェブサイトやチラシで最新の手口を紹介したりしたほか、ATMのパトロールを続けてきた。一方の金融機関側も、ATMで携帯を使う顧客への声かけを徹底してきた。コストがかかるため都内の一部のATMに限られるが、携帯の電波を遮断する機器の設置も進む。
それでも状況は依然として深刻で、昨年1年間に全国の警察が把握した被害は1806件、被害総額は約25億円に上った。
そこで、品川区に本店を置く…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル