東京高裁は27日、戸籍上は男性だが女性として生きる経済産業省職員に女性トイレの使用制限をした国の対応を「違法ではない」と判断し、原告の事実上の逆転敗訴となる判決を出した。生まれた時の性別とは異なる性別で生きる「トランスジェンダー」の職員がトイレを使う場合の対応はどうしているのか。
経産省を含む12府省に取材したところ、農林水産省と国土交通省は、戸籍上の性別と違うトイレの使用を認めた例があると回答した。ただ、ほかの10府省のほとんどは「実際に申し出がないため明確なルールはない」「多目的トイレの使用も選択肢の一つ」などとした。
一方、経済界では取り組みを進める企業もある。
経団連は2017年、自分の認識する性別で働けるような職場づくりを進める提言を出した。日本コカ・コーラなど10社は今月17日、誰もが平等に扱われる職場作りを目指す「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」を公表。富士通は、本人の要望に応じて、性自認に基づいたトイレや更衣室の使用を認めている。担当者は「優秀な人材を会社に引きつけ、ストレスなく力を発揮してもらうために当たり前のこと」と話す。
ただ、職場で働きづらさを感じるトランスジェンダーの当事者は今も多い。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル