茨城県境町の住宅で2019年9月、この家に住む夫婦が殺害され、子ども2人が重軽傷を負った事件で、県警は29日、埼玉県三郷市の無職岡庭由征(よしゆき)容疑者(26)=殺人容疑で逮捕、処分保留=を子ども2人への殺人未遂と傷害の疑いで再逮捕し、発表した。
発表によると、岡庭容疑者は19年9月23日午前0時40分ごろ、小林光則さん(当時48)宅2階で、当時中学1年の長男(14)を殺害しようと両足などを刃物で切りつけて重傷を負わせたほか、小学6年だった次女(13)の両手にスプレーのようなものをかけて両手などに軽傷を負わせた疑いがある。県警は認否を明らかにしていない。
岡庭容疑者は、この直前に廊下を隔てた寝室で小林さんと妻美和さん(当時50)を刃物で刺して殺害したとして、今月7日に殺人容疑で逮捕された。水戸地検は29日、殺人容疑については処分保留とした。
捜査関係者によると、岡庭容疑者は夫婦殺害について容疑を否認しており、凶器も見つかっていない。その一方で、現場の状況などから、県警は子ども2人への加害行為にも岡庭容疑者が関わった疑いが強いと判断した。当時1階にいた長女(22)にけがはなかった。
長男と次女は事件直後、県警に「犯人は自分たちを襲った後にいなくなった」などと証言。県警は夫婦が殺害された直後に、子ども2人が襲われたとみて調べていた。
県警の説明では、容疑者と一家との接点は確認されていない。捜査関係者によると、容疑者宅から押収したスマートフォンからは、事件前に住宅の周辺を撮影したとみられる動画が見つかっている。また、現場に残されていた足跡と同じ型の靴や、次女にかけられた催涙スプレーと同じ成分を含む熊よけ用のスプレーを容疑者が事件前に購入していたことも判明している。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル