東証1部上場のシステム開発会社ネットワンシステムズ(東京都千代田区)が受注した中央官庁のシステム管理業務をめぐり、同社から取引先へ不要な支払いをさせたとして、警視庁は6日、元社員の佐々木秀次容疑者(50)=東京都板橋区=を背任容疑で逮捕した。被害額は約2億円にのぼり、このうち約1億7千万円を私的に得ていた疑いがあるという。捜査関係者への取材でわかった。
同社では、数十台のパソコンを不正に仕入れて転売したとして、別の元社員の男が詐欺容疑で3月に逮捕されていた。佐々木容疑者は男の部下だったという。いずれも、同社の発注チェック機能の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用したと警視庁はみている。
佐々木容疑者の逮捕容疑は、同社で官庁のシステム管理を担当していた2019年6~9月、架空の保守管理業務を取引先に発注させ、ネットワン社に約1億9800万円を支払わせたというもの。複数の取引先を経て、最終的に約1億7千万円が佐々木容疑者が管理する口座に振り込まれていた。
また、警視庁は6日、佐々木容疑者の元上司で3月に逮捕した牟田友英容疑者(42)=東京都足立区=を詐欺容疑で再逮捕した。同社で官庁のシステム開発を担っていた14年12月、取引先からパソコン約800台を仕入れたのに別の機器を納入したように装い、ネットワン社に虚偽の費用として約4億7600万円を送金させた疑いがある。パソコンは約6500万円で買い取り業者に転売していたという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル