文部科学省は、小中学校の各教科の授業時間の配分について、学校の裁量で変えられる新制度を来年度から導入する。文科相が認めた特例校には、国が各教科で定める最低限の授業時間のうち最大1割を減らし、別の教科に上乗せすることを認める。国語や算数など大半の教科が対象で、上乗せした授業時間は、課題を調べて考える探究学習などの充実にあててもらう。
小中学校の授業時間は、義務教育の質や機会を確保するため、国が教科や学年ごとに「標準授業時数」を定め、各校が子どもや地域の実情に応じて決めている。ICT(情報通信技術)の活用や探究的な学習が進むなか、学校の授業編成の裁量を拡大し、弾力的に運用できる制度の導入を中央教育審議会(文科相の諮問機関)が求めていた。
新制度では、文科相が「特別の教育課程」の編成を認めた特例校は、各教科の標準授業時数を最大1割減らすことが可能となり、その分を別の教科に上乗せすることができる。上乗せして充実させる学習内容の例として、学習指導要領が求める言語能力や情報活用能力などの育成、伝統文化教育、主権者教育、消費者教育などを挙げた。教科を横断した力や探究的な学習活動の充実を図る狙いがある。高校・中学入試を目的とした教科への上乗せは想定していない。
対象教科は、国語、社会、算…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル